<阪神2-0DeNA>◇12日◇甲子園
ファイター西岡がバットでお返しや!
阪神西岡剛内野手(28)が2回2死二、三塁で右前タイムリー。一塁ベース上で雄たけびをあげた。前打席で見逃し三振した際、DeNAベンチからやじを浴びたとみられ、燃えて臨んだ打席。貴重な追加点をたたきだした。ファイティングポーズを崩さない切り込み隊長が、今年の虎にはいる。
闘志がほとばしった。プレーボール直後、西岡が怒りをあらわにした。フルカウントから低めを見極めて見逃したはずが、ストライクと判定されて見逃し三振。納得できない姿勢を示した後、今度は相手ベンチに向かって何事かを叫んだ。
「現場で起こっていることなんで…。ただ、そういうことがあった後は僕は燃えますよ」
本人は多くを語らなかったが、相手ベンチからやじのようなものを受け、それに応戦したとみられる。いずれにしても、西岡がボルテージを引き上げた試合。沸騰した思いをぶつける機会はすぐにやってきた。
2回、1点を先制して、なお、2死二、三塁。DeNA先発高崎の内角直球にややつまりながら、鬼の形相でバットを振り抜いた。気持ちがこめられた打球が一、二塁間を破った。一塁ベース上で雄たけびをあげた西岡は、両手を激しくたたき合わせた。結果的に勝利を決定づけたこの1打に和田監督も最敬礼だった。
「どうしても巨人戦の後だから。その中で逆に気合を入れてもらった。スローガン通りに熱い気持ちを持っていってくれたね。それが次の打席につながった」
巨人に2勝1分けと勝ち越した後のカード初戦。阪神でよく言われる“燃え尽き症候群”に陥ってもおかしくない。さらに、この夜も甲子園は冬が戻ってきたように冷え込んだ。ただ、そんなことは西岡のハートには関係ない。だれよりも熱く感情を表現した。
「テンポがいい。野手にも影響ありますよ。投手陣さまさまです」
西岡は4試合連続完封の投手陣を称賛した。その記録的な0封の中、じつは西岡も大切な役割を果たしている。指揮官が明かした。
「西岡はマウンドによく行くけど、声をかけるのも投手によって使い分けている。いい意味で人を見ている。ベンチは何回も行けない。そんな時に、スッと行ってくれると助かる」
ピンチの時、背番号7がマウンドへ向かう。先輩岩田の尻をたたいて、励ましたかと思えば、ルーキー藤浪には笑顔を見せ、諭すように声をかける。負けず嫌いで仲間思い。けんかっ早いが根は優しい。そんな愛すべき男が虎を引っ張っている。【鈴木忠平】



