<中日0-3阪神>◇24日◇ナゴヤドーム
阪神が鬼門を突破した。西岡剛内野手(28)の安打から積み重ねた12安打に3盗塁を絡め、苦手ナゴヤドームで中日を破った。1回には西岡とマートンで1イニング2盗塁と2年ぶりの足攻めも決めて先制した。西岡は3回にも二塁打を放ち、6回には3点目の適時打と止まらず、今季4度目の猛打賞だ。
くせ者の真骨頂だった。阪神西岡がプレーボール直後、無敗男のカブレラに嫌悪感を与えた。1回、先頭で打席に立ってもバットを振らない。2ボール2ストライクからファウルで粘る。7球目、高め直球を左前に運ぶと、塁上で重圧をかける。3球目だ。203センチの長身右腕のモーションを盗み、二塁を陥れ、助っ人のリズムを崩した。三進後にマートンの適時打で先制ホームを踏んだ。「昨日、嫌な負け方をしていた。違う意味で勢いをつけたい。そういう動きで、いい方向に進んでよかった。2回目の対戦で、どういう投手のイメージかは分かっていたから」と、してやったりの表情を浮かべた。
走塁の重要性は誰よりも熟知している。1点をもぎとる執念を見せたのは19日ヤクルト戦。同点の延長12回の1死後に出塁。大和が続いて一、二塁になると敵陣が動く。その待ち時間だ。大和と肩を並べ、激しい口調で「投球がワンバウンドになってオレが三塁に行っても、お前は無理して動く必要はない。行けたら行くくらいでいいからな!」とアドバイス。先読みし、あらゆる事態を想定する。どんな土壇場でも、冷静に周囲を見渡せる。
この日もベンチの意図をくみ取った。2点リードの6回無死満塁。目の前でスタンリッジがバットを振らず、見逃し三振に倒れた。「任された場面。絶対に点を取らないといけない」と意気に感じた。カブレラの初球をミートすると、前進守備を破る中前適時打で勝負を決めた。
2試合連続無安打だったが、今季4度目の猛打賞。和田監督は「(6回も)西岡が勝負強いから。(スタンリッジが)変に打ってゲッツーになることもある」と言った。首脳陣の思惑を体現する。そんな心強いプレーヤーが、阪神打線をしぶとくしている。【酒井俊作】



