<ソフトバンク2-5日本ハム>◇25日◇ヤフオクドーム

 日本ハム木佐貫洋投手(32)の願いは通じた。今季初完封が目前だった9回。まさかの4連打を食らって1点を失った。ベンチへ退き、嘆いた。「いつも気をつけている先頭打者と四球。それができていたのに9回に…」。最後で歯車が狂った。背負った大ピンチは、石井と武田久がしのいでくれた。試合が終わると、自分へのふがいなさで顔をしかめた。そして、帽子を取って一礼しながら守護神を出迎えた。

 マイナーチェンジをして臨んだ1戦だった。マウンドのプレート板に置く軸足の位置を、前回までの三塁側から一塁側に変えた。オリックス時代の3年間と同じ形に戻し、8回まではテンポ良くゼロを並べた。最高の幕切れを前に、悪癖が顔を出した。「先頭の長谷川を出してしまった」。試合後は反省しきりだった。

 自分の性格を激情家だと分析する。「沸点が低いんですよ」。今季、熱くなりすぎて反省した出来事があった。11日楽天戦(東京ドーム)。先発したが6回途中で降板した。ベンチへ戻ると右手でグラブを持って、イスにたたき付けた。弾力性の高いクッションがあることを確認しての行為だったが「右手の小指をやった(痛めた)かと思いました」。自分に対する怒りを抑えられなかった。

 冷静さを取り戻すと、われに返った。「あんなこと、してはいけないですね。ベンチの空気も悪くなる。反省です」。この日は、同じ過ちは犯さなかった。「思わずベンチを殴りそうになりましたけど、いさめました」。そんな木佐貫に、野球の神様は白星をプレゼントしてくれた。

 ヒヤヒヤながら4日ロッテ戦以来の2勝目にも「(9回に)点を取られたのでね」と不満顔。ツメは甘かったが、今季2度目の連勝を導いた投のヒーローは木佐貫だった。【木下大輔】