<中日1-0阪神>◇25日◇ナゴヤドーム
中日が荒木雅博内野手(35)の意地の一打で競り勝ち、今カードも勝ち越しだ。勝ちに不思議の勝ちあり-。わずか2安打で、7安打を放った阪神を1-0で下した。阪神榎田にほぼ完璧に封じられる中、5回2死三塁から「必死で食らい付いた」と三遊間を破った荒木の一打がチーム初安打。8回の森野の安打がなければ1安打勝ちの可能性もあった。
勝敗にはつねに不思議の3文字がつきまとうが、荒木の一打は決して不思議ではない。厳しいプロの世界で生き抜いてきたベテランの仕事だった。結果の出ない自分に対する憤りなのか、ベンチで不満げなシーンもあった。一夜明け“因縁”の第3打席。キッチリ結果を出し、存在価値を示した形だ。
お立ち台で荒木は「まだまだ先は長い」と表情ひとつ変えず言った。この日の好結果でも一喜一憂せず、仕事をやり続ける-。このスタイルを貫くだけ。前夜は荒木に代打森野を送って、そのまま二塁を守らせた高木監督も「荒木が打ってくれた。ポイントの人がああいう形で打って、何とか逃げ切れた」と価値ある一打に感謝した。
23日は13安打で15得点し大勝。24日は11安打を放ちながら完封負け。そしてこの日はたった2安打で競り勝った。打って勝ち、打っても勝てず、打てずに勝つ…。奇妙な3連戦の締めくくりには守道監督の言葉がピッタリだ。
「だから野球は分からん」
まだまだ乗り切れない守道竜、そして頼みの荒木にとってもターニングポイントとなるゲームかもしれない。【八反誠】



