<ソフトバンク5-2西武>◇12日◇熊本

 ソフトバンク千賀滉大投手(20)が、プロ初勝利を挙げた。同点の7回から登板し、2イニングを無失点。初登板の3失点以降、この日まで16試合連続無失点男に、うれしいご褒美となった。「自分の中では0に抑えただけです」と照れ笑いした。この日は得意のフォークが抜けたが、それでも威力十分。「直球とスライダーで腕を振ったので、フォークも有効になった」。高めからストライクになるフォークで秋山、栗山から見逃し三振を奪った。

 10年育成ドラフト4位で入団し、3年目でようやく1勝。「正直、実感はないですね。先発だったら泣いていたかもしれませんが」。今季も先発を争っていた。だが、3月2日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)で予定されていた登板を発熱で回避。体調管理不足で2軍降格を味わった。「あの発熱で今年はもう終わったと思いました」という失態だったが、事態は思わぬ方向に好転した。2軍落ちが転機となり、中継ぎへ配置転換された。短いイニングに集中することで昨年まで最速152キロだった直球も、今季155キロまでスピードアップした。

 ウイニングボールは母和江さん(43)へ。最高の母の日のプレゼントとなった。和江さんは愛知・蒲郡市の自宅でテレビ観戦をしていたが、8回を投げ終えたところで私用のため外出し、初勝利を知らなかった。「毎年、プレゼントなんてもらったことないです。初めてですね」と喜んだ。次の親孝行は来月8、9日の中日2連戦(ナゴヤドーム)で両親に勇姿を見せること。その目標のためにも、交流戦でも大事な終盤で投げ続けるつもりだ。【石橋隆雄】