<巨人3-5ロッテ>◇14日◇東京ドーム
雑草集団の底力は、エリート集団をも上回った。1点ビハインドの8回1死一、二塁。ロッテ清田育宏外野手(27)が右越え二塁打で同点とすると、なおも二、三塁から1番根元俊一内野手(29)がファーストストライクを思いきりたたいた。145キロのシュートは、前進守備の二遊間をしぶとく破る中前適時打となって2者が生還。昨年8月から負け知らずの巨人山口を攻略し、セ、パ首位対決に先勝した。
今季14度目の逆転勝ちだ。あきらめない、伊東野球が浸透した。劣勢でもベンチは明るい。指揮官が一番、声を張る。「野手陣、頑張れ。内容は気にすんな。思いきり振ってこい」。空振りでもいい。このひと言で、打者の振りに迷いがなくなる。この日も清田、伊志嶺ら途中出場者がきっちり働いた。特に外野はスタメン争いが厳しく、ベンチスタートなら代打でアピールするしかない。外国人抜きの打線は、本塁打数15は巨人を29本も下回るが「1人が出たらポンポンいける。チームワークがすごい」(清田)打線へと進化した。
反撃シーンに、しぶとさが表れた。3点を追う5回終了時、高校野球さながらにナインは円陣を組んだ。狙い球を確認。直後の6回に、野選と押し出し四球で2点を挙げた。ファウルで際どい球をカットし、10球粘った末に四球を選んだ根元は「タイムリーよりうれしかった。集中しすぎて疲れました」と胸を張った。先発バッテリー(西野-江村)の合計年俸は1000万円で、巨人(杉内-阿部)の100分の1。指揮官がいつも言っているように、小人たちが「束になって」巨人を倒した。
昨季首位ターンから5位に失速したように、過去のロッテは連勝後は連敗が続いていた。しかし、今年は常に接戦をものにし、勝ちながら地力をつけ続けている。決して余裕などない。毎日が総力戦の中で「何でかなあ。うちは結局、全員使った方が結果的にいいんだよね」と伊東監督。泥くさいスタイルで、トップをまい進する。【鎌田良美】




