<ヤクルト4-3ソフトバンク>◇25日◇神宮

 連敗を止めた指揮官の表情ではなかった。ヤクルト小川淳司監督(55)は、試合後の会見でバレンティンの交代理由を聞かれると「論外でしょ」と珍しく厳しい言葉を口にし席を立った。5回の投ゴロで一塁への走塁を怠った姿を「何回もやっている」とばっさり。4番でも緩慢プレーは許さなかった。

 「我慢」の姿勢を貫いてきた小川監督が「攻めの鬼」と化した。4人の入れ替えを断行し、そのうち3人を先発で起用。調子が上がらない選手は「使いつつ上がるのを待つ」方針だったが、主将田中浩を2軍に落とし、開幕4番の畠山もスタメンから外した。「出ていた人が出られなくなるのはあるけど、そのつもりで入れ替えた」。昨季交流戦は10連敗を経験。繰り返さないよう「自分が悪者になってやらなきゃ仕方ない」と宣言していた。厳しい姿勢で低迷打破を図った。

 作戦面でも「攻め」を貫いた。初回無死一塁からランエンドヒット。2回は無死一塁で山田が二盗し、ミレッジの3ランを導いた。二塁初起用の山田が2安打で、昇格即先発の飯原も「上げてくれてスタメンで『まさか』と思った。応えたかった」と今季初安打を放った。小川監督の攻めの姿勢はナインにも伝わった。攻撃は最大の防御-。最下位からの逆襲に向け、ヤクルトが攻めに転じた。【浜本卓也】