<巨人4-1中日>◇21日◇上毛敷島

 水が浮いて黒光りする前橋のマウンドに、鍛え上げられた沢村拓一投手(25)の肉体がよく映えた。前回完封した調子をリーグ再開初戦に持ち込んできた。連続完封まであと4人、被安打3の無失点で4勝目。「雨の中、見てもらったファンの方々。勝てて良かったです」と、土砂降りのお立ち台で話した。

 7回の7球に、沢村の今が詰まっていた。和田、谷繁、井端。実力者を外角一本で封じた。原監督は「自分の間合いの中で、よく投げた」と評した。沢村の間合いとは左足にあった。付け根から上げた左足全体を使って、大きく、ゆっくりと反時計回りに回旋させる独特の技術。しかも土台はぬかるんでいた。強靱(きょうじん)な下半身がなければ出来ない芸当だった。

 降板を告げられ苦笑い。「何とか(3連戦の)頭を取れるようにと思って投げていた」と話したが、マウンドに向かった川口投手総合コーチは「完投にこだわっていただろう。それでいい」と心中を代弁。そして「もう以前の沢村に戻らない。素晴らしい」とも加えた。ウエートトレーニングで鍛えあげた肉体は、超がつく悪条件で沢村を支えた。そして自身が「3年のスパンで考えている」というその年、球威と制球の両立という理想の形で花開こうとしている。