<西武0-2オリックス>◇22日◇西武ドーム
快投もマイペースも、どっちも井川だ。オリックス井川慶投手(33)が5回1/3を無失点に抑え2勝目を挙げた。140キロ前後の直球とチェンジアップ、カーブの緩急がさえ、日本球界復帰後最多の9奪三振。6回途中に左手人さし指のツメが割れて降板も、次戦は問題なし。マウンドでは勇敢でも、降板後は何とものらりくらりの井川節だ。
「10回やったら9回はやられる。その1回が出ましたね。スピードは遅いけど遅い球をうまく使えた。ツメは少し割れたけど、次の登板は問題ないですよ」
復帰後ベストかもしれない投球を「10回に1回」のまぐれととぼける。それは、指揮官の言葉に応える力投だった。5月31日阪神戦で今季初登板初勝利。その後、森脇監督に呼ばれ「自分だけじゃない。家族のため、守るべきもののためにも腕を振りなさい」と言われた。まだこんなものではない。マイペース左腕に向けた激励が効いた。元来、苦手なデーゲームでも「なんとか試合をつくろうと思った」と必死に引き出しを探った。
井川の奮闘から無失点リレー。完封負けの翌日に快勝し、森脇監督も「要所要所で井川らしさが出ていた。タフなゲームをみんなで耐えしのいだ」と評価した。ところが井川は、
「今日よかったけど、続けてやるのは難しいですよ」
最後までとぼけるところまで、井川が「らしさ」を取り戻した。【池本泰尚】



