<中日1-2阪神>◇25日◇富山

 阪神がついに連敗脱出だ。エース能見篤史投手(34)が中日打線を相手に好投。9回1死で左足に打球を受けるアクシデントに襲われて交代。4試合連続完投はならなかったが、1失点でリーグトップタイの7勝目を挙げ、チームの連敗を5で止めた。新井良太内野手(29)も復調の7号決勝ソロ。巨人追い上げへ、3差をキープしてみせた。

 完投目前のアクシデントだった。9回1死走者なしで投じた97球目、和田の打球が左足を襲った。能見のもとにコーチやトレーナーが集まり、様子を見たが、そのまま足を引きずりながらベンチへ下がった。しかし8回1/3を1失点と踏ん張ったエースに、富山の虎党は大きな拍手を送った。最後はベンチ裏で迎え、4連続完投はならなかったが、堂々のハーラートップタイ7勝目。「勝ったらなんでもいいです」と静かに振り返った。

 エースらしい投球だった。2回、4回と併殺を完成させるなど、ピンチらしいピンチもつくらない。5回2死一、二塁では代打井端を迎えたが、チェンジアップで遊ゴロに仕留めた。7回に先制するまで、スコアボードには0が並んだ。和田監督も「ほんと、ザ・エースだね」と目を細める内容だった。

 バットでもチームを引っ張った。5回2死では右中間へ二塁打。7回1死二塁では、二遊間を破り、チャンスを一、三塁と広げると、1番西岡の内野ゴロで先制。エースの執念が実った。

 富山入りした前日24日、ちょっとした“事件”があった。富山アルペンスタジアムでの練習中、中西投手コーチがブルペンとベンチをつなぐインターホンを試しに使おうとしたが、ボックスのふたが開かなかった。本来ならば継投に影響する大問題。だが、中西コーチは笑っていた。「能見の完投が理想だな」。こんなところにもエースに対する信頼感が表れていた。

 試合後も、能見は足を引きずりながらチームバスへ乗り込んだ。「今はまひしているので」と多くは語らなかった。今後については今日以降の様子を見、判断されるが中西コーチは「ちょっと厳しいかもしれない」と慎重な姿勢を見せた。来週は巨人との直接対決となるだけに、エースの無事が望まれる。【山本大地】