<西武0-11楽天>◇25日◇西武ドーム
マー君が西武も蹴散らした。楽天田中将大投手(24)が西武を7回3安打無失点。昨季までの6年間で5勝13敗と苦手にしていた打線を封じ込み、開幕から無傷の10連勝を果たした。昨季からの連勝は14に伸び、5年連続となる2ケタ勝利。さらに、23イニング連続無失点と、抜群の安定感を見せる。打線は球団新記録となる22安打を放ち、計11得点と大量援護。投打で完勝し、再び2位に浮上した。
西武ドームの長い階段を上る田中は素っ気なかった。勝利を手にした帰路で、「点を取ってもらって楽になりました」と野手に感謝した後だ。西武打線への意識を問われると、「それは、もういいでしょう」と表情を変えずに答えた。昨季までの通算成績は5勝13敗、防御率4・21。唯一、苦手にしている相手と言っていい。データだけなら、分は悪かった。だが、今季初対戦は7回を散発3安打無失点。結果が全てだった。
序盤のピンチの連続を切り抜けたのが大きかった。2回1死一、三塁。3回1死三塁。外野フライでも先取点を許す場面で「しっかりアウトを取っていくだけ」と、ぶれなかった。2回はカーターを遊ゴロ併殺。3回は秋山、鬼崎を連続で内野ゴロ。ホームを踏ませず切り抜け、4回、5回で8点をもらった。後は、もう独り舞台だ。5回からは3者凡退を続け、93球で余裕のお役御免となった。
鬼門だった。西武には昨季は被打率3割4分8厘と打ち込まれ、1勝2敗とパで唯一負け越している。8月には、1イニング5失点の屈辱も味わった。前日、「それだけ打たれていたら気になりますよね」と言った。投げる前に相手への意識を口にするのは珍しかった。日ごろから、発言が敵に有利に働くことを警戒する。そこまで注意を払う田中が、「5勝13敗」の数字を正面から受け止めた。
ただ、苦手だからと“逃げる”はずもなかった。交流戦後の最初の登板日を首脳陣と話し合った。選択肢は2つ。1つは、23日ソフトバンク戦。通算14勝3敗、防御率1・89のお得意さまだ。もう1つが、この日の西武戦だった。最終的には、相性よりも十分な調整を優先。中8日と間隔を空けた。当然、責任は自覚していた。「すぐ下のチーム。この時期の順位は重要ではないし、意識するところではないかもしれない。でも、後々響いてくると思う」と、必勝を誓い臨んだ。
苦手を倒し、開幕からの連勝は、ついに2ケタ10に達した。「僕1人の力じゃない。みんなで勝ち取ってくれている。1つ1つ、積み上げていけるように」と言った。星野監督は「ランナーが出てから力を入れていた。投球を覚えつつある」と信頼を口にした。眼下の敵をたたき、2位に再浮上。中心には負けないエースがいる。【古川真弥】



