<日本ハム6-5ソフトバンク>◇26日◇東京ドーム

 日本ハム大谷翔平投手(18)がプロ最長6回を3失点で投げ切ったが、2勝目は逃した。プロ入り初めて浴びた1試合2本塁打に今後の教訓があった。「いいストレートじゃなかった」。高校時代に最速160キロをマークして誇りを持つ直球は、発展途上と実感した。ソフトバンク藤井打撃コーチが、この日の対応策を明かした。「直球が(配球の)60~70%を占める。第1ストライクをファウルせずに仕留める」。直球を狙う相手を、力勝負だけでは抑えられなかった。

 1回2死。カウント1ボールから内川に先制ソロを浴びた。ほぼ真ん中だったが、152キロを中堅へ豪快に運ばれる1発。狭い東京ドームとはいえ、大谷は「あれはしょうがない」と、力負けを認めるしかなかった。2回無死からは、現在リーグ首位打者の長谷川に、外角高め144キロを逆方向の左翼席へ、軽々と運ばれた。捕手・大野が内角低めにミットを構えた、逆球だった。

 なぜプロでも最速157キロと驚きの球速をマークする直球を、捉えられるのか。疑問を解くために、日本ハムの先輩投手陣は、大谷のブルペン投球を後方から観察したことがあるという。一致した意見は「打者からの見やすさ」だった。この日、バットを2本へし折られた江川も「球が見やすかったけれど、力があった」と証言した。

 さらに回転数が多いという。プラスに作用する特徴がある半面、ミートされた際に飛距離が出るマイナス面が作用しているとの見方もある。2本のソロに象徴されるように制球はまだアバウト。直球でストライクゾーンで勝負しきれない現状といえる。

 3回以降はスローカーブを主体にしのいだ。この点は内川も「試合の中で臨機応変にやる」と評した。ただ、表示される球速だけで越えられぬ壁がある。それを破った時に、大谷の理想のパワー投球が見えてくるだろう。【高山通史】