<広島0-5巨人>◇26日◇マツダスタジアム

 巨人のリリーバーたちが、9回3安打105球の「完封勝利」を飾った。前日25日、この日に先発予定だった内海が右足首を痛めるアクシデントで登板を回避。エース不在の緊急事態に救援6戦士が立ち上がった。先発笠原将生投手(22)が2回2/3を無失点。2番手青木が移籍後初勝利につながる好投でバトンを渡し、アコスタ、山口、マシソンと継投し、最後は守護神の西村が締めた。打線も効率よく5得点を援護して、試合がなかった阪神とのゲーム差を3・5に広げた。

 1番手の笠原が勢いよくスタートを切った。中継ぎ調整のまま先発マウンドを任されたが、気負いはみじんもない。「与えられたところでゼロに抑えることだけを考えた。先発というよりは1番手という気持ちで投げました」。内海の負傷を受けて、試合前日の練習の最後に告げられた大役を意識しすぎずに2回2/3を1安打無失点で役割を果たした。

 3回2死二塁。原監督が投手交代を告げ、試合開始直後から肩を温めていた青木が平然とバトンを受けた。「移籍してきて、ここで投げるのは変な感じですが、やるかやられるかの世界ですから」と、古巣相手に任務を遂行。移籍後最長の2回1/3を1安打無失点で627日ぶりの勝利をマークした。笠原、青木で5回までつなぐと、打線も5点を援護。エースなき無失点リレーの道筋が、くっきりと浮かび上がった。

 「そういうときのためにブルペン陣がいる」。頼もしい言葉を引っさげて、3番手はアコスタが向かい、山口、マシソン、西村が1イニングずつ投げて完璧な継投を見せつけた。守護神の西村は「みんなでつないでくれて自分まできた。いい流れだったので3人で抑えることができました」と、誇らしげだった。

 試合後ロッカールームから笠原が「今日はこれっすよ!」と、赤い内海の100勝記念Tシャツを着て出てきた。「内海さんに『ごめん。頑張ってくれ』と言われました。勝てて良かったです」と、投手陣の思いを代弁した。巨人のブルペンに敗戦処理投手はいない。全員が戦力だから完成した「105球の完封勝利」だった。【為田聡史】

 ◆昨季の巨人の小刻み継投

 昨年7月1日の中日戦は先発ローテの谷間でルーキー田原を抜てき。田原が2回、福田が3回、西村が2回、高木康が1/3回、山口2/3回でマシソンにつないで星を拾い、約1カ月ぶりの首位に浮上した。杉内が登板回避した8月23日のヤクルト戦も、先発小野が3回、高木京が2回、高木康が2回、山口、西村で締め、5度目の挑戦にして優勝マジック30を点灯させた。

 ▼巨人が2年連続で両リーグのトップで40勝に到達した。巨人のセ・リーグ40勝一番乗りは2年連続39度目。巨人は38度のうち29度優勝しており、V確率は76%。今年は67試合目で到達。2リーグ制後、巨人が67試合目までに40勝は10年以来3年ぶり25度目だが、優勝を逃したのは54年(2位)と10年(3位)の2度だけ。