雨天中止の報は試合に備えての練習中に届いた。連敗を脱出した後は水入りとなった。阪神は、あす28日から約3週間ぶりとなる甲子園で広島を迎え撃つ。雨の金沢を後にする虎戦士たちは本拠地からの再出発へ、頭を切り替えていた。

 チーム最年長、精神的支柱である桧山進次郎外野手(43)が選手たちの気持ちを代弁するかのように言った。

 「まあ(北陸シリーズで)1つ勝てたし、甲子園に戻れば、本来のリズムでやれると思うからね」

 交流戦終盤からリーグ再開後にかけて今季ワーストの5連敗を喫した。前日の中日戦で連敗を止めたとはいえ、首位巨人との差は3ゲームに広がっている。ただ、今季は甲子園で貯金7つを積み上げるなど、本拠地での戦いには絶対的な自信を持っている。

 攻撃面で、その中心となるのが、マット・マートン外野手(31)だ。今季は本拠地で打率3割5分3厘、4本塁打、17打点と甲子園での“3冠王”を独走中だ。交流戦での2本のサヨナラ本塁打など、確実性だけでなく、無類の強さも発揮している。安定した先発、リリーフ陣が相手打線を封じ込め、終盤にマートンが決める。まさに今季の必勝パターンだ。

 「ダイジョウブ!」

 26日、石川県内にある星稜高の室内練習場を借りて、打撃練習などに汗を流したマートンは笑顔で言った。広島は第3戦にエース前田健をぶつけてくることが濃厚だ。今季は2試合で0勝2敗、わずか1点しか奪えていない難敵だが“甲子園3冠王”がいれば、怖くない。マエケンをも踏み台にして、再び巨人に肉薄し、首位奪取のチャンスをうかがう。【鈴木忠平】