中日エクトル・ルナ内野手(33)が“フエゴの精神”で球宴MVPを目指す。竜の首位打者に27日、選手間投票による吉報が届いた。「日本での1年目からとても幸せ。僕のプレーを見て選んでくれた選手の方々にありがとうと言いたい」。石川・小松空港から羽田経由で横浜入りした助っ人は感激の会見。狙うは中日外国人史上、49年ぶりの球宴MVPだ。

 先人はジム・マーシャル(82=元カブス、アスレチックス監督)。日本球界初の現役大リーガーとして中日に入団した左の大砲は、本拠地中日球場で開催された64年の球宴第2戦で小山正明(東京)から決勝二塁打を放つなど、2安打2打点と大活躍した。だが竜助っ人のMVPは後にも先にも1人だけ。T-ウッズやブランコもなし得なかった。だがルナのバットなら、新伝説への期待は大だ。

 「ドミニカにはフエゴ(juego)という言葉がある。楽しんでノビノビとプレーする意味。それが必ずいい結果につながる」。好調の秘訣(ひけつ)は“フエゴの精神”と明かした。日本でも重圧より「楽しむこと」を意識した結果が現在の首位打者。もちろん球宴MVPもフエゴで狙う。そして日本ハムの二刀流新人大谷についても「投打とも一流の素材。でもフエゴでやればもっといい成績が出るよ」とアドバイスを送った。

 球宴は10年マーリンズ時代の3Aと、昨年ドミニカ共和国代表としてベネズエラ代表と戦ったカリブ球宴に続き、3度目の出場になるという。「スターが集まる舞台に出られるのは光栄。楽しみな気持ちしかないよ」。今月1日に4割を切ってから打率は3割6分5厘まで落ちたが、球宴選出は絶好の発奮材料。28日からのDeNA戦で御礼の猛打を振るう。【松井清員】

 ◆64年マーシャルのMVP

 日本プロ野球史上初の現役メジャーリーガーとして63年に中日入りした巧打者は、2年連続で球宴出場した64年、本拠中日球場での第2戦の4回、8番森(巨人)の代打で左越えに逆転の2点二塁打。3打席目に内野安打も放ち、セの5-1勝利に貢献した。3打数2安打2打点で最優秀選手賞に選ばれた。