<ウエスタン・リーグ:阪神5-3ソフトバンク>◇27日◇鳴尾浜

 虎のG倒に暗雲が漂い始めた。7月3日の巨人戦(甲子園)で先発予定だった阪神榎田大樹投手(26)が27日、左肘違和感のアクシデントに襲われた。1回を投げたところで緊急降板。G戦登板の回避が濃厚となった。

 2回のマウンドに向かうはずの榎田が、1回を終えた時点で球場から引き揚げ始めた。この日は80~100球を投げる予定だった。だが、18球で1回を投げ終えたばかり。左肘を襲ったアクシデントが原因だった。

 2軍から報告を受けた和田監督が症状を説明した。「大事ではないらしいんだけど、少し違和感らしきものがあるということ。感じが悪いということだった。肘あたりだな」。鳴尾浜のマウンドは連日の雨でぬかるんでおり、大ケガに発展しての長期離脱という最悪の事態を避けるための早期降板でもあった。榎田は「かなり滑っていたので、肘を痛めるのが嫌だった。ここでムリしても仕方ない」と話した。左肘は昨オフ手術したばかり。ハイリスクだけは避けなければならず、首脳陣、本人ともに冷静に判断を下した。

 榎田は今月6日に出場選手登録を抹消され、リフレッシュ期間を設けられていた。当初は2軍での調整登板を挟み、リーグ戦再開後の22日横浜戦で登板する予定だった。このプランが雨天中止などの影響で変更となり、今回の2軍戦から7月3日巨人戦に向かう予定になっていた。中西投手コーチが「3本の矢」と表現する、能見、スタンリッジとの対巨人3本柱の中でも3試合で2勝0敗、防御率0・46と一番の安定感を誇る。登板回避となれば大きな痛手だが、長いシーズンの先をみすえた形となる。

 幸い、現状は重症ではないもようだ。榎田は「今まで通り投げるだけです」と前向きに話した。驚異的な回復を見せない限り、7月3日巨人戦の登板回避は避けられない。その場合は7月15日からの巨人3連戦(甲子園)での1軍復帰先発を目指すプランも浮上する。V奪回の行方を左右するGキラーだけに、1日も早い完全復調が待たれる。