<オリックス3-2楽天>◇28日◇京セラドーム大阪

 勝利の女神は…、やはり浮気者だった。楽天が今季3度目のサヨナラ負けを喫した。先発則本昂大投手(22)が8回までオリックス打線相手に3安打1失点と好投。プロ初の完投勝利がかかった9回、先頭駿太への四球から2死満塁を招き、最後は代打高橋信に右越えのサヨナラ2点打を打たれた。2-1の7回に無死二塁の好機をつくりながら、走塁ミスで追加点を奪えなかったことが響いた。

 帰りのバスへ乗り込む直前、星野監督はうなるように言った。「あれが大きいな」。1点リードで迎えた7回の攻撃を悔やんだ。先頭マギーがオリックス・マエストリから二塁打を放ち、絶好の追加点チャンス。続く島内は2球ボールが続いた後の3球目、強攻策で引っ張った。定石通り、右方向へのゴロで二塁走者を三塁に進めようとした。

 悲劇は起きた。島内のゴロは、人工芝を小刻みに跳ねながら、一塁李大浩の正面に飛んだ。捕球した李は、すかさず三塁バルディリスに転送。マギーが二、三塁間で挟まれた。挟殺を避けるため二塁に戻ろうとしたが、バルディリスが二塁カバーに入った遊撃山本に転送。マギーは慌てて三塁方向に切り返すも、山本に追いつかれ背中からタッチされた。その間、打者走者の島内は一塁を蹴り、二塁に滑り込んだ。だが、マギーのタッチアウト後にボールが二塁に送られ、島内もアウト。あっという間に走者がいなくなった。結局、この回は0点で終わった。

 リードを2点に広げていれば、9回の則本は、もっと楽に投げられた。サヨナラ負けとは違う展開になった可能性はある。鈴木内野守備走塁コーチは、マギーについて「(判断は)難しい。打球がポンポンと(勢いよく)飛んだ場合は(三塁に)行かなくていい」と言った。一塁方向への打球で、スタートを切るのは当然だが、紙一重の判断だけに、厳しくは責めなかった。ただ、二、三塁間に挟まれた後は「(島内を二塁へ)行かせないと」と、粘って欲しかったと注文もつけた。

 星野監督の持論に「勝利の女神は浮気性」がある。「勝っていても、つまらないミスが出ると嫌だ。モヤモヤとしたものが、こっちベンチに来る感じがする。そんなミスをすると、勝利の女神は浮気する」。勝負の“流れ”とも言い換えられる。結果論ではあるが、7回の走塁ミスで流れを失い、悔やまれる1敗を喫した。【古川真弥】