<ロッテ11-3ソフトバンク>◇30日◇QVCマリン
ロッテ打線が、ソフトバンク帆足を1回0/3でKOした。1点を追う2回、打者13人の猛攻で畳み掛けた。この回だけで9安打、5適時打を集中させ、7者連続得点をマーク。試合前の伊東勤監督(50)は帆足攻略を宣言していた。今季3度目の2ケタ得点で今季19度目の逆転勝利。パ・リーグ40勝一番乗りに導いた、伊東采配には「徹底」の2文字が浮かび上がる。
2回だ。先頭の今江は1ボール2ストライクと追い込まれながらスライダーを「食らい付きました」と二塁打とした。続く大松は初球のスライダーを右越え二塁打だ。無死二、三塁となって、鈴木はフルカウントからの外角スライダーを拾って適時右前打とした。3者連続のスライダー打ち。マウンドの帆足の気持ちまで揺さぶった「徹底」ぶりだった。
3連打を皮切りに「逆転のロッテ」が猛攻を展開。江村が、荻野貴が、根元が、無死満塁で適時打を放つ。トドメは鈴木が2死満塁から、この回だけで2本目の適時打だ。「1イニング2適時打は初めてですね」と、打った鈴木も驚いた。
予告通りの攻略だった。勝てば9連戦は5勝4敗で1つ勝ち越し。6月勝率も5割になる。試合前の伊東監督は「帆足は絶対、やっつけるぞ」と意気込んだ。
攻略の要は「徹底」だ。帆足の投球は独特な「パームスライダー」と直球が軸。直球か変化球。どちらかに狙いを絞る。片方は捨てる覚悟で、狙い打ちする。割り切りが思い切りのいいスイングを生むわけだ。
リーグ首位の理由を探ると、他球団から「ロッテの徹底ぶりは見事。狙い球を絞り、チームとして相手投手を攻略しようと取り組んでいるのが分かる。伊東監督の方針なのだろう」との声が聞こえる。この日の帆足も同様に攻略された。
伊東監督は「攻略法はある。でも、まだ対戦するから言わない」と煙幕を張る。ただ、「今日のポイントは大松。初球からカーブだかスライダーをよく打った。大松が帆足のリズムを崩した」と言った。
「帆足は左打者が苦手」は通説だ。今季は、試合前まで右打者の打率2割7分0厘で左は1割5分1厘だった。だが、11勝した10年は右が2割5分3厘で左は3割2分2厘。帆足にとっては克服していた恐怖感を、大松の安打が呼び起こすことを、伊東監督は知っている。相手の嫌がることを徹底するのも、勝利への近道。ソフトバンク高山投手コーチは「ああなったら、ロッテは嫌な攻撃をする」と言い残した。イメージ戦略も着実に浸透している証拠だ。【金子航】



