<DeNA3-2中日>◇6月30日◇横浜
悲しき「王超え」だ。中日谷繁元信捕手(42)が通算2832試合出場を果たし、歴代2位で並んでいた王貞治(73=ソフトバンク球団会長)を抜き単独2位となった。7回の代打でバントを決めたメモリアルゲームは終盤踏ん張れずにサヨナラ負け。今季初の同一カード3連勝も逃した。
出番は7回にやって来た。体調を考慮されスタメンを外れた谷繁は代打で登場。1点リードで無死一塁。難なく送りバントを決めた。これが通算2832試合目。前日6月29日に谷繁も「世界の王さん」と呼ぶレジェンドに並んでいた。意外な登場パターンで「王さん超え」を果たした。
上には歴代1位3017試合の野村克也しかいなくなった。同じ捕手。尊敬する「ノムさん超え」への意欲をはっきり口にした。
「あとは野村さんしかいない。1試合でも近づけるように、自分らしく、また1試合1試合頑張りたいです」
しかし心から笑うことのできない1日になった。負け方が悪い。代打からそのままマスクをかぶった。1点差逃げ切りを託されたものの、操る投手がうまく反応してくれない。8回にセットアッパー中田賢が先頭多村に同点弾を食らい、9回は武藤がサヨナラ打を浴びた。後味が悪かった。
試合後は投手陣にゲキを飛ばした。中田賢は6月25日阪神戦(富山)で同点の9回に先頭新井良に決勝弾を浴びたばかり。同じ過ちを犯している。「1ストライクを取っているので、ボールでいい。その辺がもうひとつ、分かっていない」とあえて厳しく指摘した。
今季は育ててもらった、ここ横浜スタジアムで悔しい思いを味わうことが多い。4月には同一カード3連敗。ブランコにめった打ちされ「みんな優しいんだよ。戦う集団じゃない」と投手陣を叱咤(しった)した。あの言葉を受け、投手陣もこの3連戦はブランコを厳しく攻め無安打に封じた。きっとやってくれる-。こう信じて谷繁は厳しい言葉を吐く。チームの勝利のため言うべきことは言う。勝つために試合に出ているのだから。【八反誠】



