<日本ハム4-8西武>◇30日◇札幌ドーム

 日本ハムが守乱による自滅で、快進撃がストップした。2点を追う同点の8回に3失策と野選が絡み、一挙4失点で万事休した。守備力に定評のある成長株の中島、中堅の大引の二遊間コンビが、勝負どころでミスを連発。勝ちパターンの継投策で、今季初の6連勝での貯金生活を狙ったが、わずか1日で再び借金1。今日1日ソフトバンク戦(東京ドーム)から仕切り直す。

 ベンチにのけぞるように体を預け、心を静めるように視線を宙へ逃した。日本ハム栗山英樹監督(52)が大きく、ため息をついた。2度追いつき、同点で迎えた8回。勝利の方程式を繰り出し、勝負にいったが青写真は崩れた。持ち前の堅守が乱れ、試合が決まった。勝率5割復帰して、わずか1試合で借金生活へと逆戻り。「う~ん…」とうなってからの敗戦の弁で、素直な胸の内を明かした。「自分の中で、尾を引く負けだった」と、不快指数満点の一戦を総括した。

 後味は悪かった。中田の2点打で同点とした直後。主導権は手中にしていた。7回途中で投入した中継ぎ左腕エースの宮西が、先頭打者の浅村に中前打で出塁を許す。無死一塁からの秋山の二ゴロと思われた打球が分岐点だった。若き名手の中島が捕球ミスし、慌てて間に合わない一塁へ悪送球。珍しい「ダブル失策」で無死二、三塁とピンチが広がった。四球で満塁となり、セットアッパー増井も流れを断ち切れなかった。

 熊代に決勝打となる勝ち越し適時打を献上。負の連鎖は続く。堅実さが特長の遊撃手の大引がゴロを処理し、本塁に送球して追加点を防ぎにいったが悪送球。野選と失策で、さらに2点を奪われジ・エンドだった。計4失策と守乱でリズムをつかめないまま終戦。栗山監督は「切り替えやすい負けはない」と断じたが、出直しへ強い意欲を見せた。「今日、開幕したつもりでいた。1つ取られたので、取り返すつもりでいく」。強烈な反攻ムードから一転、手綱を締め直すきっかけにする。【高山通史】