<阪神0-2広島>◇30日◇甲子園

 新鉄人や!

 阪神鳥谷敬内野手(32)が連続試合出場を歴代4位タイとなる1246試合とした。ルーキーイヤーから数々の故障を乗り越え続けての大記録もキャプテンらしく、チームの連勝が3で止まったことを悔しがった。この日の完封負けで、巨人との差は2・5に広がった。明日2日から本拠地・甲子園で巨人と直接対決3連戦がスタート。G倒へ先頭に立つのは、もちろん鳥谷だ。

 偉大な記録を打ち立てた雰囲気など、みじんもない。鳥谷は淡々とクラブハウスに続く階段をのぼった。「個人的なことは関係ない」。前田健に完封負け。その事実だけが頭にあった。

 初回に中前打を決めた後、ことごとく安打を奪われた。3回2死一、二塁では左中間ライナーを左翼ルイスがダイビングキャッチ。6回に放った中堅左への大飛球は俊足丸がランニングキャッチ。そして、極め付きは8回裏の好機だった。

 2点ビハインドのまま、2死一、二塁。三遊間にゴロを転がした。飛びついた三塁堂林がなんとか一塁送球。鳥谷の足が一瞬早く一塁ベースを踏んだかに見えたが、判定はアウトだ。普段は冷静沈着なキャプテンも、しばしぼうぜん。それでも「判定にどうこうっていうのはない。アウトになればアウトだから。(いい当たりも)アウトになれば一緒」と一切恨み節を吐かず、責任を背負い込んだ。

 4連勝ならず。とはいえ記録は色あせない。ルーキーイヤー04年9月9日ヤクルト戦からの連続試合出場が歴代4位飯田徳治の1246試合に並んだ。右肋骨(ろっこつ)骨折、腰骨折、右手人さし指負傷…。幾多の危機に見舞われても、何事もなかったようにプレーした証しだ。

 3月のWBC期間中、米国移動直後の早朝6時前後にウエートトレに励み、周囲を驚かせた。「時差ボケで寝れなかったから。それだけだって!」。他選手は皆、尊敬のまなざしを送ったが、鳥谷からすれば当然の動き。称賛されることすら恥ずかしそうだった。シーズン中、通常練習開始時間より4時間以上前からトレーニングを始める姿は今や有名。頑丈の体と心は鍛錬のたまものだ。

 あと4試合に連続出場すれば、同3位松井秀喜1250試合に並ぶ。その上には2位金本知憲1766試合、1位衣笠祥雄2215試合が君臨する。トップ2の記録に向けては「ムリッ!」と苦笑いするが…。この男なら、と夢を膨らませてしまう。【佐井陽介】

 ▼鳥谷が連続試合出場を1246に伸ばし、飯田徳治と並んで歴代4位となった。3位の松井秀喜1250試合にあと4と迫っており、今週中にも単独3位となりそう。鳥谷は05年から12年まで8年連続8度のシーズン全試合出場を継続中。今季も全試合に出れば9度目となり、金本知憲が持つ球団最多記録8度(03~10年。金本自身は広島時代99年から12年連続12度)を上回り単独1位となる。なお全試合出場回数のプロ野球記録は、衣笠祥雄の17度。