<中日0-4ヤクルト>◇6日◇ナゴヤドーム

 

 グラウンドから中日エクトル・ルナ内野手(33)が消えた。2回、三塁ゴロを放った背番号0はいつものように一塁ベースに全力疾走。直後に左足を気にするそぶりを見せた。3回守備に向かおうとしたところで自ら申し出てベンチへ逆戻り。森野が大急ぎでキャッチボールをして三塁守備に就いた。

 チームを支えてきたハッスル男がいなくなり、歯車が狂ったのか。先発大野が4回にバレンティンに特大の2ランを被弾。7回には上田に2点適時三塁打を浴びた。反撃も7回無死満塁の大チャンスをものに出来ないなどチグハグ。8安打しながら今季8度目のゼロ封負けで、ヤクルト小川にリーグトップの9勝目を献上してしまった。

 高木監督もガックリだ。左膝を痛めたというルナについて「今までは少々のことではやってたからね」と、心配そうだった。打率3割6分8厘の主砲が突然の離脱。途中出場の森野が3安打と発奮したが、本来の形ではない。

 ルナは試合中もアイシング、マッサージ、電気治療を施し、気丈だった。痛みは、慣れない人工芝による負荷が蓄積したようで「ベースを駆け抜けたとき」に悪化した。腫れはなく、病院にも行かない予定。「自分の考えでは(9日阪神戦の)那覇から出たい」と意欲的だった。

 それでも故障箇所は、走攻守で影響が出る膝。今日7日は無理をせず欠場が濃厚だ。借金10に逆戻りした日に、攻撃の要が離脱。弱り目にたたり目とはこのことだ。【桝井聡】