<日本ハム6-1オリックス>◇7日◇札幌ドーム

 試合後の囲み取材。日本ハム中田翔内野手(24)は「あれ?

 人少なくない?」と冗談っぽく笑った。今季9度目の猛打賞で得点をアシストした4番の隣では、この日1安打3打点のルーキーが大勢の記者に囲まれていた。「(大谷)翔平も打ってくれたし、チャンスメーク出来て良かった。力強くて19歳の打球じゃなかった」。脇役に徹し、ヒーローになった後輩をたたえた。

 3連敗阻止のため、打席で工夫を凝らした。「コンパクトに振って、インパクトの瞬間だけ100%の力を伝えたくて」と、いつもよりバットを低めの位置で構えた。第1打席はシュートに詰まりながらも中前へ落とし、第2打席は速球を右前へ。アブレイユの1発が飛び出した5回の第3打席は、狙っていたスライダーをフルスイングで左中間へ二塁打。「目の前で完璧なホームランを見て力が入った。がっついてしまって悔いが残る」とスタンドへ運べなかったことを残念がったが、久々の3安打に「力強く振る打席とコンパクトに振る打席を分けていて、今日はぴったりはまった」と充実感に浸った。

 今年、4年ぶりに札幌ドームで開催される球宴で“全パ4番”の勇姿を見せる。この日の試合前、全パの指揮を執る栗山監督が「使うなら絶対に4番。(19日札幌ドームの)初戦は絶対にそうでしょ」と明言。ここまで、リーグトップの21本塁打に同2位の56打点と、成績は文句なし。「ファンに喜んでもらえるのが一番。球宴でも見合った結果を残したい」。真夏の祭典は、全打席迫力満点のフルスイングで、主役の座をゲットするつもりだ。【中島宙恵】