<阪神6-2中日>◇9日◇沖縄セルラー那覇
ナハナハナハナハ、笑いが止まらない4連勝さ~。阪神が公式戦で初めて乗り込んだ沖縄で、中日に快勝したさ~。5番復帰の新井貴浩内野手(36)が1回に2点打、6回に2ランの4打点したさ~。2年ぶり2桁の10号本塁打を、沖縄の夜空にかけたさ~。首位巨人は山形で快勝?
この勢いで追いかければ、なんくるないさ~。
指笛のシャワーに出迎えられた。気温30度前後、湿度は80%前後。新井貴は心地よさそうに南国の風を浴びながら、一塁ベンチに向かった。仲間とともに決めポーズを披露すると、沖縄特有の「ピーピー」というBGMがより一層強まった。
「次の1点がこっちに入るか、あっちに入るかで流れが変わる。重要な1点だと思っていた」
阪神にとっては沖縄で初の1軍公式戦。2点リードの6回無死一塁、中日岡田の低めスライダーをすくいあげた。逆風に押し戻されても、打球は左翼席最前列に着弾。10号2ランで今季4度目の4連勝を導いた。
敵味方関係なく、活躍をささげたい男がいる。中日でブルペン捕手兼通訳を務めるルイス・フランシス。顔を合わせば冗談を飛ばし合う。同い年で広島時代、苦楽を共にした相手だ。広島ドミニカアカデミー出身のルイスは97年に来日し、06年まで広島でブルペン捕手を任された。07年に中日移籍後も、通常業務にとどまらず助っ人勢の相談役まで務めている。
「あいつもどん底を味わって苦労している。今は雑用みたいな仕事まで一生懸命やっているしね。やっぱり気になるんよ」
新井貴は98年ドラフト6位で広島入団。何度も食事に出かけ、悩みを相談し合ったという。「新井が1、2軍を往復していたころからの付き合いだからね。あいつは昔から本当にいいヤツ。それは今も変わらない」とルイスは言う。36歳。右肩痛からのリハビリ中には復活に疑問符を投げられたこともあった。歯を食いしばり、這い上がった。大切な仲間の泥臭い姿を目にすれば、弱音など吐いてはいられない。
先制した直後の1回1死一、二塁では2点二塁打。右中間フェンス最上部を直撃する一打で、立ち上がり5連打の中核を担った。7回にはネクストバッターズサークルで審判の投げたバットが足元に直撃しかけるハプニングもあったが、笑い飛ばした。4打点の大暴れ。2年ぶりの2桁本塁打に「まだまだ打ちたい」と宣言した。
チームは地方球場で今季6戦6勝、昨季から8連勝。勝利賞としてオリオンビール1年分、360本が贈呈された。「(応援が)新鮮で、すごく良かった。沖縄のタイガースファンに喜んでもらえて、うれしい」。ある人はお酒で、ある人は日焼けで顔が真っ赤。阪神沖縄初勝利。舞台となった沖縄セルラー那覇には試合後、ビールのにおいが充満していた。【佐井陽介】
▼新井貴の2桁本塁打は、11年の17本塁打以来2年ぶり、プロ15年目で12度目。チーム74試合目での到達は、10年の67試合目に次ぎ阪神移籍後2番目のペース。自身最速は、広島在籍時07年の27試合目。



