<楽天3-2ロッテ>◇26日◇Kスタ宮城
マー君はやっぱり神の子だった!?
楽天田中将大投手(24)が2失点完投で、開幕から無傷の14連勝を飾った。2回に鈴木に先制ソロを浴びると、同点の6回にも井口に19号ソロを打たれ今季初の2被弾。連勝記録が止まるかと思われたが、1点を追う9回裏、1死満塁から押し出しで同点とすると、続く嶋基宏捕手(28)の中前打でサヨナラ勝ち。昨年8月からの連勝も18に伸ばした。チームは首位攻防戦の初戦を制し、2位ロッテと3ゲーム差に広げた。
田中は両手でバンザイして喜びを爆発させた。1点を追う9回、押し出しで同点としてなお1死満塁。三塁側ベンチ前でキャッチボールしながら「なんとか逆転してくれ!」と祈った。大声援の中、嶋がサヨナラの中前打を放つと、真っ先にヒーローのもとに駆け寄った。14勝目をプレゼントしてくれた女房役と抱き合った。投げれば負けないことに「やばいですね」と興奮していた。「ファンと野手の方々に助けられました」と周囲に感謝した。
神懸かっていた。「調子は良くなかった」と振り返ったように、先手を取られた。2回に甘いスライダーを鈴木に右翼スタンドへ運ばれ、6回には井口に19号ソロを打たれ、日米通算2000安打達成を派手に決められた。「コントロールミスです」。いずれも初球を打たれたもので、「やっちゃいけないこと」と猛省した。今季初めて1試合に2発浴びるほど不調だったが、結果的に勝った。
この日は今季2度目の夏季限定ユニホーム「TOHOKU
GREEN」を着用しての試合だった。試合開始前まで雨が降り続け、「(試合を)やるかわからない天気なのにこれだけたくさん集まってくれて、本当にうれしかった」と、球場を緑一色に染め上げた2万382人の観衆に励まされた。最終回はファンも選手も一体となり、ロッテの守護神益田に襲いかかった。「これはいけるという雰囲気だった」。
その一体感は田中自身が呼び寄せていた。登板2日前の調整練習。ジャージーでの練習が許される中で、「TOHOKU
GREEN」を着用していた。「今度試合で着るから、着ようと思った」と、首位攻防戦で投球するイメージを高めていた。9回は先頭の今江に安打を許したが、続くブラゼルを併殺に仕留めるなど、7回から3イニングはすべて打者3人で終えた。この日の球数はわずか90球で、心身ともに入念な準備が劇的勝利を呼んだのかもしれない。
09年まで指揮をとった野村監督からは「マー君神の子、不思議な子」と言われた。田中が投げるときは打線が打つ。この日も、そんな勝ち方だった。星野監督は神懸かり的だったかと問われ、「神懸かってない、実力だろう。神はまだ遠いよ」と笑ったが、「田中に負けがつかないで追いついたのは、ツイてるなぁ」と感心するしかなかった。
消えかかった連勝記録がつながった。「変に(記録を)意識する部分もありますけど、怖いものはないので。今日1回死んだと思って、また次しっかりやっていきたい」と言った。次は日本タイ記録の15連勝に挑む。この勢いなら成し遂げられる。【斎藤庸裕】
▼田中が開幕14連勝、昨年8月26日日本ハム戦から18連勝を記録した。開幕から14連勝以上は05年斉藤(ソフトバンク)以来4人目で、連続シーズンを含む18連勝以上は81~85年中田(阪神)以来6人目。81年間柴(日本ハム)05年斉藤の開幕15連勝へあと1勝、51~52年松田(巨人)57年稲尾(西鉄)の20連勝へあと2勝に迫った。田中がサヨナラ勝ちで白星を手にしたのは10年3月28日西武戦、12年8月26日日本ハム戦に次いで3度目だが、過去2度は延長戦で、9回裏に逆転サヨナラで勝利投手は初めてだ。また、この日は90球で完投。楽天の投手では、田中自身が11年8月13日ロッテ戦で記録した97球を抜いて完投勝利の最少投球数となった。



