<阪神1-4DeNA>◇27日◇甲子園
突然の悪夢だった。5回まで完全投球を見せていた阪神エース能見篤史投手(34)が、突如DeNA打線につかまった。6回先頭の宮崎にこの日初安打を許すと、犠打のあと、代打井手にあっさりと同点打。2死二、三塁からはモーガンの内野安打で勝ち越し点を献上。ブランコもポテンヒットで続き一挙3点。「ヒットはヒットだから」と、不運な打球にも静かに悔しさを押し殺した。
序盤はこの展開になるとは予想すらできなかった。能見が投打でチームをけん引し「勝ちパターン」をつくりあげていた。投げては初回を3者三振で立ち上がるなど、快投を披露。気がつけば5回まで1人の走者も許さない、完全投球でねじ伏せていた。「いいボールもいってたし、コントロールも良くて、感じは良かった」。誰の目にも、絶好調に見えていた。
投げる立役者が能見なら、打つ方もやはり、能見だ。両チーム無得点で迎えた4回。2四球などで2死満塁となり、打席に能見。大チャンスで期待に応え、能見は2球目を右前にはじき返した。今季7安打目に「ストレート1本で、狙いを絞って打ちに行きました。0-0で試合が進んでいたので、先に点が取れてよかったです」。値千金の先制ランナーをそのバットでホームにかえした。
球宴でこんな一幕もあった。福島いわきでの第3戦先発を控えていた能見は、どんなプレーを見せたいかと問われると冗談交じりに答えた。「バッティングじゃないですか?
今回は打席に入れないですけど」。自身も、周囲の見る目が変わっていることを肌で感じていた。和田監督も「タイミングが合ってるから、相手も対策してくるんじゃない?」と、真顔で話すほどだ。
巻き返しへの踏ん張りどころ。エースは意地を見せたが、悔やまれる敗戦となった。【山本大地】



