<楽天2-2西武>◇7月31日◇秋田

 首位を走る楽天星野仙一監督(66)が、降雨コールドゲームで引き分けの西武戦で、今後を見据えた一手を打った。今季初めて、第2捕手の岡島豪郎(23)が「1番右翼」でスタメン起用された。1回の第1打席で、西武十亀の初球を振り抜き中前打。3回の第2打席は右飛だったが、右中間へのライナーを熊代に好捕されたもの。「四球よりも、とにかく積極的に行こうと思いました。初球を打てて良かった」と、俊足巧打の左打者が切り込み隊長の素質を見せた。

 「1番岡島」は、星野監督が前から温めていたプランだった。50メートル走6秒1の脚力に、バットコントロールも悪くない。「あいつは1番を打てる」と評価していた。「1番中堅」が指定席だった聖沢が、3試合連続無安打中。今季89試合目で初めてスタメンから外した。代わりに右翼の島内を中堅に回し、空いた右翼と1番に岡島を入れた。

 岡島は1年目の昨季は43試合に出場。正捕手嶋に代わって、スタメンマスクも31試合でかぶった。だが、今季は嶋が開幕から攻守に好調で、出番が限られている。スタメンマスクは、ここまで4試合のみ。自らも「外野をやりたい」と兼任を志願。首脳陣の思惑と一致し、交流戦期間中から外野の練習を続けてきた。スタメンで1度、途中出場で2度、外野を守ったが、1番に入ったのは初めてだった。

 降雨コールドのため、3打席で終わったが、結果は出した。何より聖沢の復調が待たれるが、シーズンが佳境に入る前に攻撃の選択肢が増えた。そのことがプラスになるか、と聞かれた星野監督は「そうだな」と満足そうにうなずいた。勝負は不完全燃焼だったが、ただでは終わらなかった。【古川真弥】

 ◆岡島豪郎(おかじま・たけろう)1989年(平元)9月7日生まれ。群馬・千代田町出身。小1から野球を始める。関東学園大付-白鴎大。関甲新リーグで打率4割を3度マークし、2年春から4季連続ベストナインに選ばれた。プロ1年目の昨季は嶋に次ぐ第2捕手として43試合に出場し、打率2割5分8厘だった。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。推定年俸1500万円。