<巨人0-4阪神>◇2日◇東京ドーム

 勝ってかぶとの緒を締めた。同一シーズン初の東京ドーム5連勝にも、阪神和田豊監督(50)は「何連勝とかじゃなく、今日の一戦。今日は一戦に懸ける思いがあったので」と笑みはなかった。負ければ8・5差となる戦いは手に汗握る攻防。一瞬の隙も許されない2時間41分で、負けた巨人の強さを再確認した。「これが首位に立つチーム。隙を突いてきた。阿部くんの時になかなか走れない」。

 1点リードの6回。1死二塁で4番阿部。その初球、二塁走者坂本に意表を突かれた。今季18盗塁で失敗が2つ、16盗塁した昨季も失敗1だった「盗塁名人」が、三塁を狙ってきた。何とか藤井彰人捕手(37)がストライク送球でアウトに。藤井彰は「阿部に集中してて隙があった」と言ったが、まさにビッグプレーでチームを救った。それでも指揮官は、緊迫感の中で緩みを見逃さない巨人に警戒を緩めなかった。

 この3連戦で2敗すれば、巨人にマジックが点灯する。ペナントの灯を消すわけにはいかない。前日1日に「開き直る」と宣言した和田監督は、2軍から4人の選手を呼び寄せた。「我々は3つ取るつもりで乗り込んで来ているので」。球場入りは、速足で周囲の声をさえぎった。何よりうれしい巨人戦の勝利も、最後まで指揮官に笑顔はなかった。歩みを止めるわけにはいかない総力戦。今こそ、猛虎の意地を見せる時なのだ。【近間康隆】