<巨人0-4阪神>◇2日◇東京ドーム

 やはりG倒には、この男のバットは欠かせない。阪神4番マット・マートン外野手(31)が先制打&トドメ打だ。チームは連敗脱出。6連勝中だった巨人を止めてみせた。最後は5番新井貴がド派手な2ラン。まだまだ虎は死んでいない。この日初戦を迎えた長期ロードを「逆襲ロード」にしてみせる。

 痛烈なゴロが一、二塁間を真っ二つに割った。初回2死二塁、巨人沢村の低め147キロ直球をミート。「しっかり(バットの)芯でとらえられた。いいスイングができたね」。マートンが立ち上がりから先制打を決め、虎に漂うマイナスムードを吹き飛ばした。

 後半戦開幕後は2勝6敗。ヤクルト、DeNA、中日に白星を取り逃がしている間に、首位巨人とのゲーム差は7・5まで開いてしまった。敵地で宿敵との3連戦。初戦を落とせば、V奪回が大きく遠のいてしまう。生死を分けると言っても過言ではない一戦。4番が4番の仕事をした。

 1点リードのまま迎えた9回表2死一塁。今度は、アコスタの内寄り148キロに打ち勝ち、右翼フェンス直撃の適時二塁打を記録。ここぞの場面で効果的なパンチを食らわせ、5番新井の特大2ランも呼び込んだ。「チームとしても、いいところでヒットが出た。そういう試合をしていけば、勝てる試合は増えていくと思う」。緊張感漂う伝統の一戦で勝負強さが際立った。

 昔からそうだった。勝負強すぎて、仲間からブーイングを浴びたことさえある。米国メジャーでカブスに所属していた時のこと。敵地ヒューストンのアストロズ戦で9回に代打登場し、値千金の同点弾を決めた。その瞬間はナインから手荒い祝福を受けたが、試合はそのまま18回まで決着がつかず。代打登場のマートンですら4打席立つロングゲームとなった。

 日付が変わった深夜1時に試合終了。翌日はデーゲームが組まれていた。「試合が終わった後、みんなから『なんであそこで打ったんだ!

 オマエのせいで長い試合になった!』と怒られたよ(笑い)」。筋金入りの勝負師。超人気球団の4番打者には最適だ。この日で4試合連続安打。シーズン112安打となり、リーグ単独トップにも立った。

 3連戦の初戦を取り、連敗を2でストップ。チーム史上初となるシーズン東京ドーム5連勝も決めた。ただ、まだ首位巨人とは6・5ゲーム差がある。「プロとしてやるべき仕事は144試合全力で戦うこと。まだまだどうなるか分からない。チャンスがある限り、強い気持ちを持ってやっていくよ」。勝って勝って勝ち続ける。猛虎の進むべき道は明確だ。【佐井陽介】