<巨人0-4阪神>◇2日◇東京ドーム
打った瞬間、確信した。阪神新井貴浩内野手(36)は豪快にバットを放り投げた。どうだ!
と言わんばかりの表情で打球の行方を見つめる。ピンポン球のようにはじかれた白球は「キリン一番搾り」の看板を直撃した。推定飛距離130メートル。写真の中でビールジョッキを掲げるイチローもびっくり?
の特大弾だった。
「完璧だったね。うまく反応できた。(9回裏は)3番からだからね。何とかもう1点取りたかった。最高の形になってよかった」
2-0とした9回、なお二塁に走者を置いて巨人アコスタの変化球をとらえた。逆転サヨナラのチャンスをうかがう巨人にとどめを刺す一撃に、虎党も、ベンチも、歓喜を爆発させた。本人が「タイガースでは初めてじゃないかな」と言う東京ドームでの看板弾で賞金100万円とビール1年分をゲットした。それでも新井が欲しかったのは勝利だけだった。
7・5ゲーム差で迎えた巨人との直接対決。大差をつけられた。だが、猛虎は死んでいなかった。試合開始直前の円陣、新井が輪の中心で声を出した。最後は右手を下から突き上げるポーズで、全員が盛り上がった。ネバーギブアップの精神を結果で証明した。
「(3連戦)頭(を取った)とか、そういう意識は何もない。1戦1戦しかない。チャレンジャーだし、明日も思い切っていくだけです」
新井は最後に「挑戦者」という言葉を口にした。虎戦士の心は折れていない。逆転優勝への挑戦はまだまだ、終わらない。【鈴木忠平】



