<日本ハム0-3楽天>◇3日◇札幌ドーム
本拠地・札幌ドームで5連勝中の左腕をもってしても、自力優勝消滅は避けられなかった。昨季パ・リーグ覇者の日本ハムは、首位楽天との直接対決で2連敗。開幕投手を務めた武田勝(35)が6回途中無失点で降板し、継投策が裏目に出た。打線の援護もなく、今季10度目の零敗を喫して首位とのゲーム差は今季最大の12・5に。借金は7に膨れ上がり、自力Vの可能性がなくなった。
6回1死でスコアボードは0-0。走者はいない。楽天マギーを打席に迎えるところで、ゆっくりとマウンドを降りる背番号38の姿に、札幌ドームを埋めた約3万6500人の観客がざわついた。武田勝はポーカーフェースを崩さなかったが、ややうつむき加減でベンチへ引き揚げる姿からは悔しさがにじんでいた。
「チームの指示なので…。こういう状況ですし、勝つことを前提にして試合を進めていた。まだ、そこまでの信頼を勝ち取っていないということです」。マギーには、7月9日に2ランを打たれていた。今季開幕投手も務めた左腕は雪辱の機会を奪われ、無念の表情でベンチへ腰を下ろした。
3回までは毎回のように走者を得点圏に背負い、味方の好守にも助けられた。次第にストライクが先行するようになり、4、5回は持ち味を発揮して3者凡退。「直球系で押していけたのはプラス材料。これまでは変化球を狙い打たれるケースが多かったので、配球の組み立てを変えて、中盤以降はテンポよく投げられた」と、本人が手応えを感じ始めた直後の交代劇だった。代わった2人目のルーキー河野がマギーに二塁打を許し、2死後、内野安打に守備の乱れが重なって先制の1点を失った。
試合後の栗山英樹監督(52)は「う~ん、勝ちたかったです」と声を絞り出した。1点勝負を覚悟して、早めの継投に打って出たが、その積極策が実を結ばなかった。打線がつながらず、投手戦を強いられた中で「エースのマサルには申し訳なかったけど、今の楽天の状態を考えると…。難しい判断だったけど、勝負するしかなかった」と苦悩の表情で振り返った。
首位との差は今季最大の12・5に広がり、自力優勝の可能性は消滅した。「それは、あまり意味がない。まだ52試合ある」と強がった栗山監督だが、後半戦2勝8敗という成績が示すとおり、上位浮上への明快な打開策は見えないままだ。「こういう時は起爆剤がない。基本的なことを、やるしかない」。その言葉が、低迷しているチームの深刻さを物語っていた。【中島宙恵】
▼日本ハムは首位楽天に敗れたため、自力優勝の可能性がなくなった。日本ハムは残り52試合に全勝して94勝49敗1分け、勝率は6割5分7厘。楽天は日本ハムとの残り11試合に全敗しても、他カードで42勝すれば95勝48敗1分け、勝率6割6分4厘となる。



