<巨人4-3阪神>◇3日◇東京ドーム

 虎党の待つ左翼スタンドに、悲しみのアーチが飛び込んだ。同点だった7回無死。伏兵中井の劇弾に阪神のエース能見篤史投手(34)が沈んだ。血染めの122球も、首位巨人の前には及ばなかった。自身最多の1試合3被弾。巨人お得意の1発攻勢にのみ込まれ、7回4失点で6敗目を喫した。

 能見

 打たれるのは仕方ないです。ムダな四球を出さないように、と投げた。(負けられないと)意識はしてましたけど、できる範囲のことをやろうと思っていました。

 巨人の優勝マジック点灯に王手をかけさせる、痛恨の敗戦となった。エースは静かに結果を受け止めた。投げ合った相手は巨人杉内。過去の投げ合いでは5連敗中だった。「辛抱しないと。相手もいいピッチャーなんで」。強く意識していただけに、投球にも力が入っていた。

 2点リードで迎えた2回のマウンド。エースの左手薬指には血がにじんでいた。爪が割れたわけではなかった。「力みすぎて、親指でえぐってしまった」。勝ちたい、という思いが強く出すぎ、普段は生じない損傷を自らつけていた。リズムに狂いが生まれたのか、この回、先頭村田、ロペスに連続被弾。一気に同点に追いつかれた。

 敗れはしたが、エースの意地、執念をマウンドにぶつけた。簡単にはやられない。巨人としてはやりにくいという印象を残したはずだ。27日からは再度、東京ドームで激突する。無意味な敗戦にしないためにも、エースが必ずやり返す。【山本大地】