<ソフトバンク3-2西武>◇3日◇ヤフオクドーム

 これぞ4番の仕事だ!

 ソフトバンクが8回に松田宣浩内野手(30)の13号2ランで鮮やかすぎる逆転勝利を収めた。頼れる4番打者は最近5戦4発と本塁打量産態勢。4連勝で7月1日以来の貯金4となり、2位西武、ロッテにもゲーム差なしと接近した。主砲のエンジンがかかり、混戦パ・リーグを勝ち上がる勢いがついてきた。

 見逃せばボールだった。1点を追う8回2死二塁。松田は西武増田の2球目、外角高めカットボールを迷わずフルスイングした。最も手が伸びた得意のポイントでとらえ、ライナーで左中間スタンドに突き刺さした。

 「1球目もカット(ボール)だった。直球を打ちにいって、タイミング的に(直球より)遅かったので、ボールでも手が伸びて入ったと思います」

 まさに4番の仕事だ。秋山監督もボール球を打っての逆転弾に「マッチのいいところでしょ。大きな1発だよ」と目を細めた。

 6回、不運な当たりのランニング2ランを許した。摂津対牧田、両エースの投げ合いは、1点差のまま逃げ切られるムードすら漂っていた。「今日の牧田は真っすぐがよかった」という松田も1回に内角を厳しく攻められバットを折られる遊ゴロ。4回に空振り三振、6回に一飛といずれも走者を置いて3打数無安打。牧田は今季13打数1安打と大の苦手だった。

 8回だ。四球と犠打で1死二塁とし、3番内川の場面で西武は牧田から増田に継投した。ネクストの松田は「代わって、これはきたかな~と思った。ラッキーじゃないけど、それまでの3打席を忘れて新たな気持ちで入れた」と正直だった。藤本打撃コーチも「牧田やったら(8回も)三振してた。代わってよかった。打撃の調子もそこまでよくはないから」と笑った。

 絶好調ではなくとも7月30日オリックス戦から5戦4発と本塁打を量産している。きっかけは同28日の日本ハム戦後に内川から受けた「間が取れていない」というアドバイスだ。構える時に左肩を1、2センチ内側へ入れることで体が開かず正面で力強い打球が打てるようになったという。

 1位楽天が抜け出しているが、2位以下は大混戦。4番は「8月が勝負。全力で取りにいく」と力を込める。昨年は8月1日楽天戦で右手甲を骨折。大事な時期に離脱して迷惑をかけた思いが強い。「死球などの突発的なケガをしないようにだけ注意しています」ともう過ちは犯さない。今季はここまで93試合全試合フルイニング出場で、チームトップの63打点。不動の4番としてチームをけん引していく。【石橋隆雄】