<巨人4-3阪神>◇3日◇東京ドーム
虎が、いよいよ追い詰められた。2度のリードを守れず、3本塁打を浴びて逆転負け。きょう第3戦を落とせば、阪神に自力優勝の可能性がなくなる大ピンチだ。背水の一戦、命運は巨人戦初登板となるルーキー藤浪晋太郎投手(19)に託された。ドラ1右腕は「当然」と力を込めれば、和田監督も「絶対に取る!」と宿敵のマジック点灯阻止を誓った。頼むで!
執念は見せた。最終回、若き1、2番がつないだ。2死満塁、一打逆転-。頼みの「神様」桧山は遊ゴロだった。願いも届かず、左翼席はため息で終わった。2度のリードを守りきれずにジ・エンド。空中戦に持ち込まれ、阪神はシーソーゲームを落とした。和田監督は「あと1歩としか言いようがない。いい試合をしても、負けは負けやから」。唇をかむしかなかった。
いよいよ土俵際に追い詰められた。今日4日、巨人に負ければ自力優勝の可能性が消滅。同時に、宿敵にはマジック43が点灯する。ここからがおもしろいはずのペナントレースだ。「待った」をかけるのは阪神の役目になった。セ界終盤の“風力”を左右する戦い。ストップ・ザ・ジャイアンツは黄金ルーキーに託す。
藤浪はこの日、東京ドームで最終調整した。ブルペンにも入り、初のマウンドとなる敵地の感覚もチェック。虎を救う意気込みは十分ある。相手のマジック点灯を阻止する気持ちを聞かれると、力強く即答した。
「当然ですね」
初の巨人戦。しかも、投げ合うのは同じ新人右腕で9勝を挙げている菅野だ。気持ちは当然高ぶる。それでも19歳は「特別な相手ではない。自分の力を出すだけで、相手どうこうではないです」と、いつものように平常心を強調した。
攻める。能見は3発に沈んだ。慎重にいきたい球場だが、あくまで大胆にいく。肝は据えた。主砲阿部も遠慮なくグイグイえぐる。強力打線には、攻撃の心を持って立ち向かう。
藤浪
打力もありますし、東京ドームはホームランが出やすいので、ソロくらいならいい、という気持ちで思い切っていきたい。(阿部は)相手の4番ですし、抑えないと話にならない。インコースも使いたい。
昨年は春夏の甲子園で優勝した。国体も制した。V請負人が、早々と8年ぶりのリーグ制覇を諦めるわけにはいかない。初対戦で巨人に勝てば、球団の高卒新人としては67年江夏以来となる。この日、この相手、この状況で登板が巡るのも、やはり何かを持っているからだろう。
能見は血染めで奮投した。代走田上も思い切り走った。選手会長関本を今季初先発で起用し、セーフティースクイズで1点を取りに行った。総力を尽くした一戦をはね返され、再び7・5ゲーム差。3連勝プランが消えた和田監督は「これで終わったわけじゃない。明日は何とか…いや、何とかじゃなくて絶対取って」とファイティングポーズのままだった。阪神そして13年のセ・リーグを占う大一番。「サンデー晋ちゃん」の右腕に、虎党の願いを懸ける。【近間康隆】
▼阪神と巨人の新人が先発で投げ合うのは、03年6月1日(東京ドーム)で阪神久保田智之(02年ドラフト5巡目)と巨人久保裕也(同自由枠)が投げ合って以来10年ぶり。試合は4-3で巨人が勝ち、両先発に勝敗はつかなかった。なお両球団のドラフト最上位入団の新人投手が先発として対戦するのは史上初。



