<中日4-2阪神>◇9日◇ナゴヤドーム
4番の肩書が似合うねえ。5試合ぶりに4番に座った中日和田一浩外野手(41)が連敗地獄を止めた。同点の3回2死で、バックスクリーン左横に14号ソロ。特大決勝アーチは7月2日広島戦(豊橋)以来、28試合ぶり、113打席ぶりのブランク弾だった。チームの連敗は3で止まり、本拠地での連敗も6でストップ。ルナ欠場の窮地を、頼れる男が救った。
悩み続けた中日和田が試合を決める放物線を描いた。2-2の同点に追いつかれた直後の3回。2死走者なしのカウント3ボール1ストライクから、積極的に狙いにいった。阪神スタンリッジの147キロ直球をつかまえてバックスクリーン左横に突き刺した。低空に伸びていく和田らしい打球がようやく戻った。あまりにも久しぶり過ぎる手応えに、打った本人も思わず苦笑いだ。
「久しぶりにいったかなという感じ。7月に打ってた?
いつ打ったか分からないくらい。それくらい悪かったということ」
7月30日阪神戦(甲子園)後の宿舎。打撃の調子を崩していた和田は高木監督に呼ばれた。「明日は休め」。休養を与える配慮ではあったが、首脳陣からは2軍調整させようという声も上がったほど。だが、和田は「もう少し任せてください」と首を横に振った。
7月は21試合で打率2割6厘。8月に入ってから8試合で4割ジャスト。この日もマルチ安打と、意地とプライドで上昇カーブを描いている。
スタメン表からは首位打者ルナの名前が消えていた。4日に1軍復帰してからチャンスで打てない主砲が、先発メンバーから外れた。ルナに代わり、5試合ぶりに4番に座ったのが和田だった。
ようやく止まった連敗に高木監督もご機嫌だ。前日8日には「何もありません」と今季最短の1秒会見で質問を受け付けなかったが、この日も「今日は何もありません」とジョークを飛ばして笑わせた。和田については「今日のホームランなんてあれだけ伸びたんやからスイングポイントもよくなったんやない」とご満悦。追い込まれた守道竜を救ったのは、追い込まれていたベンちゃんだった。【桝井聡】



