<中日4-2阪神>◇9日◇ナゴヤドーム

 まだ真夏なのに…やるせない。阪神の自力優勝の可能性が48試合を残して消滅した。連勝して乗り込んだナゴヤドームで中日に競り負け。広島に逆転勝ちした巨人の優勝マジック39点灯を許した。5位からの逆襲を期した和田虎2年目は、西岡、福留ら大補強で発進したが、故障続きの誤算に泣いた。2位とはいえ、8・5ゲーム差の現実が重い。

 9回、最後の攻撃も相手守護神岩瀬に断ち切られた。スコアボードに刻まれたのは2回と3回の1点ずつ。打線は押し切れず、投手は踏ん張れなかった。

 「ずっと左にやられているんだよなあ」

 「追いついた後のね。1発がね。あそこでもうちょっと踏ん張れていれば」

 「反発力がないんでね。追いつくまではいくんだけど、あそこで投手が踏ん張らないと」

 試合後、和田豊監督(50)の言葉は、左腕大野に苦しんだ打線から、同点の3回、不用意な1発を浴びた先発スタンリッジへ、そして、また反発力のない打線へと戻った。負けない巨人に食らいつきたい。それでも、チーム状態はままならない。投打にそんなもどかしさでいっぱいのゲームだった。

 そして、和田監督の会見から数十分後、巨人が広島に逆転勝ち。自力優勝の可能性が消滅し、ライバルにマジック39が点灯した。開幕から96試合目、打倒巨人を合言葉に突っ走ってきたチームに現実的な数字が突きつけられた。

 就任1年目の昨季、5位に終わった和田阪神は屈辱を倍返しにしてきた。スタッフを入れ替え、メジャー帰りの西岡、福留、そして新外国人コンラッドを補強した布陣で臨むと安定した戦いを見せた。4月末には不振でコンラッドが2軍落ち、5月には福留が左膝を負傷して戦線離脱したが、日替わりヒーローも出現して粘り強く戦った。6月には首位にも立った。

 だが、球宴明け、チームの雰囲気を劇的に変えた西岡が離脱すると、状態を上げてきた巨人に突き放された。球宴前に2・5ゲーム差だった差は、わずか2週間で8・5まで開いた。

 それでも、まだ、終わったわけではない。マジックは、その名の通り、ついては消えるもの。指揮官は最後に前を向いた。

 「まあ、投手はよく(ゲームを)つくってくれているから、あとは打線が何とかしないと」

 福留も、西岡も、戻ってくるメドが立っている。残り48試合。巨人との直接対決は7試合も残っている。虎の牙は折れていない。和田阪神が、あきらめるはずがない。【鈴木忠平】

 ▼阪神の自力優勝の可能性が消滅し、巨人に優勝マジック39が点灯した。巨人は阪神戦残り7試合に全敗しても、他球団との39試合に全勝すれば、100勝41敗3分けで最終勝率7割9厘。阪神は残り48試合に全勝しても、100勝42敗2分けで7割4厘で、巨人に及ばない。3位以下の4球団は既に自力優勝がなくなっており、巨人のマジック点灯となった。シーズン96試合目での自力V消滅は、和田監督就任1年目の12年より21試合遅いペースながら、2年続けて100試合未満での消滅となった。