<中日4-2阪神>◇9日◇ナゴヤドーム

 阪神新井良太内野手(29)が、シーズン自己最多となる12本目のアーチをかけた。2点を追う2回1死、大野の初球、ボール気味の外角高め142キロ直球をたたき、右翼フェンスをぎりぎりオーバー。05年オフに中日入団し、10年オフに移籍するまでナゴヤドームを主戦場としたが、実はこれが同球場での自身初アーチ。かつての仲間たちに成長を見せつける1発となった。

 ただ、試合後は厳しい表情のまま、同じ言葉を何度も繰り返した。「はい、良かったです」。もはや心ここにあらず、といった表情。1%の元気も残さないほど試合に全身全霊をかけている証拠だ。7日広島戦で2ランを放ちながら、翌日の同戦は0-0の7回無死満塁で代打桧山を送られた。すでに今季3本の満塁弾を決めている「満塁男」でさえ、立場は安泰ではない。9回は守護神岩瀬から左前打も放ち、後半戦開幕試合以来14試合ぶりのマルチ安打。敗戦の中に、意地の跡だけは残した。【佐井陽介】