<中日5-6阪神>◇10日◇ナゴヤドーム

 不快指数は100%!?

 守道竜が延長12回、4時間55分のロングゲームを落とした。疲れ果てた表情でベンチから立ち上がった中日高木守道監督(72)は「今日は何もありません」と3日連続のフレーズ。「そう言ったら怒られるか…」と思い直して反転すると、問わず語りでぼやき連発した。

 「ああいうふうにしたって追い越されたら意味がない。打とりゃあ、勝てとった。取れるときに打ってほしいよ」

 試合は3-3で迎えた延長12回に6番手高橋聡が3点を奪われ万事休す。その裏に1点差まで追い上げたが、試合をひっくり返すパワーは残っていなかった。指揮官が問題視したのは、終盤よりもむしろ序盤の攻撃。特に2試合ぶりに3番で先発復帰したエクトル・ルナ内野手(33)は1、2、4回と得点圏に走者を置い場面で、いずれも凡退。遅まきながら終盤に2安打を放ったが、前半は完全なブレーキだった。

 モヤモヤを引きずっているような覇気のなさだった。前日9日のスタメン落ちを巡って、すったもんだがあった。休養を与えようと考えた首脳陣と、先発出場と思い込んでいたルナとの意思疎通に行き違いがあったことが原因。一夜明けたルナは「もちろん出たいつもりで球場には来た。自分から出たくないといったわけじゃない」と説明。「試合に出なかったことは関係ないよ」と影響を否定した。

 井上打撃コーチも「こちらから蒸し返すことはない」と話しており、問題にされることはなさそう。高木監督は「あ~腹が立つ。今日も寝れんわ」と心の声を叫び、敗戦の会見を締めた。ルナ問題はこのまま収束に向かいそうだが、何よりもほしい勝利が遠い。あぁ、蒸し暑い…。寝苦しい熱帯夜は、もう勘弁してほしい。【桝井聡】

 ◆ルナのスタメン落ちVTR

 9日阪神戦で、首位打者ルナが故障以外では初めて先発から外れた。首脳陣は4日に左膝痛から復帰後も状態が上がらないことを踏まえ、メジャーにならい、休養日とした。その真意が助っ人には十分に伝わらなかったようで、井上打撃コーチは「何でオレを外すんだとフテくされてたみたい。(代打の)スタンバイはしていなかった」と“職場放棄”していたことを明かした。