<中日5-6阪神>◇10日◇ナゴヤドーム
もう、どこまでヒヤヒヤさせんねん!
決定的な3点勝ち越しで迎えた12回裏。3連打から簡単に2点を返され、なお1死二塁。ここから阪神福原忍投手(36)は踏ん張った。何点差でも勝ちは勝ち。9回から無失点の松田、久保にホールドがつき、安藤は3勝目。福原は汗びっしょりの6セーブ目で、ハイタッチをかわした。
祈るような虎党の思いが、背番号28に降り注いでいた。3点あったリードがわずか1点。2死一、三塁で代打谷繁だ。絶体絶命。ベテラン福原が選んだのは、最大の武器である直球勝負だった。初球、低めいっぱいの直球を谷繁が見送る。2球目は外れ、カウントは1-1。1球1球にナゴヤドームが揺れる。3球目。こん身の内角直球に谷繁のバットが出た。打球は力なく上がる遊飛で、試合終了。4時間55分に及んだ死闘を締めくると、右腕にいつものスマイルが戻った。
「自分が出したランナーだったんでね。ヒヤヒヤでした。いろいろ考えながら投げてましたよ」
3点リードで福原。誰もが逃げ切り勝利を確信した。最後に失点したのは5月29日と、実に2カ月以上も無失点投球を続ける安定感。ところが先頭の代打藤井の打球が、一、二塁間の微妙な位置に転がる。新井が処理し、福原のベースカバーが1歩遅れ、内野安打。ルナ、和田にも連打され、16試合ぶりの失点で1点を返され、1死も奪えずに二、三塁だ。そこから、冷静に気持ちを落ち着かせた。平田の遊ゴロで1点を返され1点差。森野は歩かせたが、井端を遊ゴロで2死。最後に谷繁を抑えた。
今季から3時間半ルールが撤廃された。福原が語ったことがあった。「影響はあまりないですよ。どこで投げるかというのはある程度コーチから指示があるんでね」。試合時間が延びても、持ち場に集中できる環境が整えられているという。さらに「試合に出れば相手を抑えるというつもりでやっているので、3時間で打ち切るとか、延長があるとかで大きく変わることはないよ」とも話した。ベンチとブルペンの意思疎通。しかも最年長投手がドッシリすることで、リリーフ陣に強力な安定感がもたらされているのだ。1試合でも落とせば、巨人の背中が離れるばかり。ベテラン右腕はマウンドで、あきらめない執念を見せた。【山本大地】



