<広島5-5巨人>◇10日◇マツダスタジアム

 広島だって、やられたらやり返す!

 前日9日の4点差逆転負けの鬱憤(うっぷん)を、7回に晴らした。6回まで1安打に抑え込まれた巨人杉内に3連打を浴びせて無死満塁と攻める。堂林翔太内野手(21)、倉義和捕手(38)の連続長打で同点。フレッド・ルイス外野手(32)の右前適時打で一時は勝ち越した。前夜、ミスした張本人たちが意地の“倍返し”だ。

 やられたら、やり返す。それだけだ。広島ナインも「半沢ブーム」に乗っかった。1回にいきなり3点を先制されると、杉内に6回まで1安打に抑えられた。嫌なムードが漂う中、意地を見せたのは4点差を追う7回だった。

 キラ、松山、小窪の3連打で無死満塁のチャンスを迎える。打席は堂林。前夜は7回に4点差を追いつかれるきっかけをつくる失策を犯した。「ストレートに振り負けないように準備していた」。狙いすました外角直球を右中間にはじき返し、まず2点を返した。

 さらに無死二、三塁。倉は前日、クロスプレーでボールをこぼし同点のホームを許すミスをしていた。「来た球を思いっきり打ち返したら抜けてくれた」。堂林と同じように、直球を右方向へ押し込むと、打球は右中間を抜けた。体にムチを入れ、一気に三塁を陥れる。「ギリギリだった」と笑みがこぼれた。

 勢いは止まらず、1死三塁からルイスが外角のスライダーを引っ張り、一、二塁間を抜いた。勝ち越しの右前適時打だ。「いい場面で回ってきて、その流れで打てた」。奇襲も功を奏した。今季初対戦の左腕杉内に対し、1番ルイス、5番松山と左打者を並べる布陣を敷いた。杉内の得意球であるチェンジアップを封じる作戦が実を結ぶ。今季最多3万2097人の観衆の心を震わせた。

 8回は、前夜「決勝ボーク」を犯したソコロビッチが3人でぴしゃり。「半沢直樹」も顔負けの役者軍団が完璧に“演技”していた。シナリオ通りの結末を迎えようとしていたが、9回。3年ぶりのセーブをかけてマウンドに上がった永川勝が、ロペスに同点ソロを浴び延長に突入。3夜連続の4時間を超える“長編大作”になってしまった。