<楽天10-6ソフトバンク>◇11日◇Kスタ宮城

 千両役者がそろってきた。楽天枡田慎太郎内野手(26)が、4打点の活躍で両軍29安打16得点の乱打戦にケリをつけた。1回、1死一、三塁から左中間への適時二塁打。1点リードの7回には2死二、三塁から中越えの2点適時二塁打を放った。星野監督がキーマンとしていた男が、試合を決めた。これでチームは36試合連続で連敗なし。早ければ14日にも球団史上初のマジック36が点灯する。

 星野楽天のキーマンが試合を決めた。1点リードの7回2死一、二塁で6番枡田が打席に入った。「何としても点が欲しかった。自分が何とかしないといけない」。1球目、ソフトバンク千賀の暴投で二、三塁となり、フルカウントからの8球目を捉えた。打球は中堅長谷川の頭上を越える2点二塁打。「魂で打ちました」と、歓声で沸く仙台の夜空に右手を突き上げた。

 重苦しいムードが漂っていた。1回に5得点で主導権を握ったが、先発ダックワースの乱調で3回に1点差に詰め寄られた。3~6回は無得点。流れがどちらに転んでもおかしくない中で値千金の一打を放ち、両軍合計29安打、4時間23分の乱打戦にケリをつけた。

 8年目の26歳は、星野監督から「銀次と枡田が出てこないと、このチームは終わり」と言われ、期待が高かった。それだけに開幕5番を任された序盤は「焦り」があった。昨季終盤に痛めた左膝の故障明けで再発の怖さがある中、「結果を出さないといけない」。自然と力が入って打率1割台に落ち込み、わずか2週間で2軍降格となった。

 そこから時間をもらった。再昇格したのは7月2日。2軍で結果を出しても星野監督は「まだだ」と、昇格を止めたこともある。途中でケガが重なったとはいえ、1軍復帰まで約3カ月かかった。監督は「枡田を6番に固定できたら楽なんだけどな」と構想を描きながら、ペナントの勝負とみる8、9月を見据え我慢して待った。そんな期待を枡田も受け止めた。「最近、左投手でも使ってくれるようになったし、なんとかチームに貢献したい」。左投手には右打者というパターンを外してまで起用してくれる思いに応えたかった。

 得点源の4番ジョーンズ、5番マギーの前後を打つ打者がカギとなっていた楽天打線。3番銀次に続いて6番枡田も固まった。銀次3打点、枡田4打点で連敗を回避し、星野監督は「うれしいね。勝負強くなってきた」と目を細めた。早ければ14日にもマジック36が点灯する。頂が見えてきそうだ。【斎藤庸裕】