<巨人4-1DeNA>◇14日◇東京ドーム

 巨人の開幕投手を務めた宮国椋丞投手(21)がどん底からはい上がった。6回8安打1失点の粘りの投球で、約1カ月ぶりの5勝目を挙げた。不調で2度目の2軍降格からの復帰マウンドで、復活の糸口をつかんだ。「勝負球が高めに浮いてしまったり、ヒットをいっぱい打たれてしまいましたが、粘り強く投げられた」。5回まで毎回走者を許したが、最少失点にとどめた。

 自身に課したテーマは「楽しく」だった。沖縄・糸満高時代、無心で白球を追っていた感覚を忘れかけていた。「投げる前から楽しく投げようと思っていた」。開幕投手、カード初戦の先発、中5日での登板と、プロ3年目の若武者は責任を感じすぎていた。「マウンドで自分と戦っていた」と、勝負する相手すら見失った。だから「とにかく元気よく投げる」と、決めた。マウンドに立つという原点だけを強く意識した。

 どん底からの復活は簡単ではなかった。2度目の2軍降格を通達された7月25日の広島戦は、1回2/3を8失点でKO。その前の7月17日の阪神戦も3回5失点に沈んだ。「いつ(1軍に)呼ばれてもいいように」と炎天下で鍛えてきた。

 この日も決して万全ではなかった。変化球主体の配球に、「阿部さんは、状態が悪いと判断して変化球を多めにしてくれたと思う」と分析。それだけに「走者を出しても、三塁まで行かれても、塁を埋めても、ホームだけは踏ませない」と勝負どころで粘った。

 原監督も「6回を投げて1点に抑えて勝利投手になった。これでいいでしょう」と及第点。阪神が広島に敗れたため、連覇へのマジックは2つ減って34とした。巨人のオープニング投手が、首位を独走するチームの輪に加わろうとしている。【為田聡史】