<ロッテ6-5楽天>◇14日◇QVCマリン
楽天枡田慎太郎内野手(26)が5号2ランを放ち、昨年記録したシーズン最多本塁打に並んだ。ロッテ戦の1回に、グライシンガーから左翼席に運んだ。3打数1安打で、打率は2割9分5厘に上昇し、大台3割も見えてきた。試合はサヨナラ負けしたが、夏場に強い枡田のバットはシーズン終盤戦に突入するチームに欠かせない。
幕張の風を切り裂き、高々と上がった打球が伸びる。じりじりと下がる左翼手・荻野貴の頭上を通過し、ボールはスタンドに飛び込んだ。前夜、ロッテに完封された悔しさが頭にあった枡田は「昨日点が取れなかったので、魂で打ちました」。持ち味である逆方向への強い打球で、リベンジの気持ちをぶつけた。
1回に2点を先制し、なおも2死一塁のチャンスだった。ロッテ先発グライシンガーの外角低め直球は決して甘くなかったが、枡田のバットコントロールがその上をいった。「バットがちょうど伸びて飛ぶところにボールが当たってくれた。みんながいい流れでつないでくれたおかげです」と感謝した。入団から8年たって主力になり、体つきもたくましくなったが、謙虚さは当時と変わらない。
平石打撃コーチ補佐は「グライシンガーはコントロールとテンポが良いので、相手のペースに合わせないように積極的に打ちにいこうと試合前に話していた。安定する前に得点できたのは大きい」と初回のビッグイニングにうなずいた。戦意を喪失させたかったが、負ければ優勝争いから後退するロッテの粘りに屈し、試合は逆転負け。枡田は「切り替えて、明日をとることが大事」と同一カード3連敗阻止を誓った。
空砲となったものの、成長を物語る1発だった。本塁打数は自己最多5本に並んだ。昨季は79試合での数字だったが、今季はまだ43試合目。安定感だけでなく、パワーも確実にアップしている。開幕は調子が上がらず、打率1割7分1厘で4月15日に2軍落ち。故障もあって昇格は遅れたが、7月2日に1軍復帰すると「6番・左翼」に定着。再昇格後は87打数30安打、打率3割4分5厘の好調ぶりで、チームを支える。
7月8日の誕生日で26歳になった。優勝争いが佳境に入るこれからは、もっとプレッシャーのかかる戦いが待つ。「夏に生まれたので、好きな季節なんで。夏に負けないように、心身ともに強気で戦いたい」。夏は枡田にお任せだ。【柴田猛夫】



