<ヤクルト5-6中日>◇15日◇神宮
1日限定の“竜の神様”がヤク払いだ。6回に代打出場した中日谷繁元信捕手(42)が左前に決勝打を放った。ベテランのV打で連敗が4でストップ。宿敵ヤクルト戦の連敗も7で止まった。試合前からルナが右膝痛を訴え、急きょ欠場するアクシデント。ツキにも見放されていたが、42歳の底力がチームを救った。
連敗地獄を止めたのは“神様”のバットだった。5-5の同点で迎えた6回2死三塁。代打で打席に立った谷繁が、真ん中に入ったフォークに反応。体勢を崩しながらも左翼前に落とした。
谷繁
チャンスで代打。ファーストストライクから打ちにいこうと思っていた。2ボールになって真っすぐを待っていて、フォーク。バットにうまいこと引っ掛かって、いいところに落ちてくれました。
まるで神主のように?
バットを振り、ヤク払いして勝利を呼び込んだ。
5年連続負け越しを喫しているまさに鬼門神宮。なぜか重たい空気が流れる。今季もこの試合まで3勝5敗と分が悪かった。この日はゲーム開始から和田の先制打などで2点を先取。主導権を握ったはずだった。それが先発山本昌が4回に崩れていつもの展開。今日もまた…。そんな流れを変えたのが5月に神宮で2000安打を放った谷繁だった。
どんな場面でもファイティングポーズを取り続ける。それがプロ27年生のポリシーだ。開幕前に「そういう姿を出したい。ただ、1人じゃダメ。野球はチームスポーツ。団体競技。バラバラだと勝てない」と話したことがある。闘争心をむき出しにする。戦いの先頭に立つ。優勝という2文字が遠くかすんでも諦めることは決してない。
必死の継投で1点を守りきった。6回守備からはマスクをかぶりマドリガル、浅尾、岩瀬の無失点リレーを演出した谷繁は「1つ勝つのが大変と27年やって思い知らされた。1つ1つ勝っていくしかない」と苦笑い。攻守でフラフラの竜を救った。
久しぶりに手にした勝利にも高木監督の顔には笑顔がなかった。接戦を何とか制した形だけに「苦しいのはいつも苦しいわ。楽な試合なんかない」。もう、疲労困憊(こんぱい)という感じで球場を後にした。試合前から主砲ルナが右膝の痛みを訴えるなど、不運続きだったチームを竜の闘将が救った。【桝井聡】



