<西武4-13ソフトバンク>◇15日◇西武ドーム

 ソフトバンクが秋山幸二監督(51)の鬼采配でついに3位へ再浮上した。乱調で逆転を許した大場に1/3回3失点で怒りの降板指令。1回から執念の継投に入ると、3-3の6回に打者12人8安打で一挙8点を勝ち越した。3試合で41安打33得点、7本塁打と完全に生き返った打線で3連勝。7月3日以来となるCS圏に復帰した。

 3夜連続の猛打ショーだ。前日7点を挙げた「ラッキー6」はこの日の夜も続いた。3-3で迎えた6回1死満塁。中村が代わったばかりの増田から右中間へ3点適時二塁打を放った。「初回に自分のミスが響いて逆転されていたから、何とか挽回したかった」。失策を帳消しにする一振りから5連打。結局、この回出てきた西武の3投手に打者12人のバットで8安打を浴びせ、7者連続得点を含む8点を挙げ、試合を決めてしまった。

 ある意味、打線の火付け役はこの人かもしれない。打線より先に「爆発」した秋山監督だった。先発大場を今季最速となる1/3回で下げる鬼采配をみせた。いきなりヘルマンへの四球で始まり、中村の送りバントの処理ミスもあって無死一、二塁とすると、暴投と内野ゴロ、暴投であっさり逆転。連打の後、大崎に2球ボールを続けた場面で見切った。前回8日ロッテ戦も3回2死走者なしから5失点。歯止めの効かない失点癖に堪忍袋の緒がぶち切れた。高山投手コーチも「がっかりした」と先頭打者への四球後、ブルペンに電話を入れた。2番手の嘉弥真が準備を始めていた。

 勝ち続けない限り首位楽天にプレッシャーを与えられない。1回から7投手による継投。指揮官の執念はチーム全体に伝わった。松田とラヘアのソロで追いつき、両リーグ最高のチーム打率を誇る打線が6回に一気にとどめを刺した。3連戦を41安打33得点と“西武バッティングセンター”で完全に勢いを取り戻した。

 藤本打撃コーチは「1番から5番まではずっと調子がいいから、6、7番が打つと点が入るね。江川、ラヘア、柳田の3人のうち状態のいい人をその2つで使えるのがいい」と振り返る。内川の守備復帰に伴い、DHを状態に応じて、使える効果が出た。3連戦で6、7番で12打点を稼いだ。

 中継ぎリレーも実り、試合後のロッカー室は「江尻さん初勝利~」の叫び声が飛び、お祭り騒ぎだった。チーム打率は1試合で2厘も上昇し、2割7分3厘。それでも、秋山監督は怒りを抱えたままなのか「打線は水物だからな」としか言葉を残さなかった。1人、冷静に次戦を制する作戦を立て始めた。【押谷謙爾】