<西武12-11楽天>◇18日◇西武ドーム
西武が息を吹き返した。3点差をひっくり返し、2試合連続のサヨナラ勝ち。1点差と詰め寄った9回2死二、三塁、キャプテン栗山巧外野手(29)の右前打で試合を決めた。2回にヘルマンの勝ち越しの満塁本塁打などで6点を奪ったが、投手陣が踏ん張れず。今季は、満塁本塁打を放った試合は3度とも敗れたが、悪夢を払拭(ふっしょく)させた。渡辺監督からは「死んでいない」宣言も飛び出した。
一塁ベース付近、駆け寄る仲間と、栗山は体をぶつけるように抱き合った。大量の水をかけられ、体はビショビショだった。額から滴る水をはじき飛ばすように、何度も何度もほえた。「今日の勝ちは大きいです。どんな劣勢でもあきらめずにいく。それが監督の求めてきたチーム。まだまだ、あきらめてません」。チーム全員の思いを、キャプテンが代弁した。
勝利を形容する言葉があるだろうか。それほどまでに、劇的だった。9回、3点ビハインドから1点差に迫って、2死二、三塁。3球目の変化球を鋭いライナーで右前にはじき返した。2回にヘルマンが勝ち越しの満塁本塁打を放ったが、投手陣が乱調で逆転。今季、満塁本塁打を放った3試合ともに敗戦という悪夢のようなデータが頭をよぎったが、倍返しの、倍返しではねのけた。
選手会長兼主将として、背中と言葉でチームを引っ張る。17日の試合後、サヨナラ勝ちに沸くロッカールームを離れ、向かったのは西武第2球場の室内。静まり返る室内で、9回に失敗した送りバントを繰り返した。この日は、代打を送られ、チーム唯一のフルイニング出場が途切れた秋山の肩にソッと手を置き、無言のメッセージ。「うるっときた」と言う秋山の表情が、栗山の存在感を物語った。
今季は、スローガンを「骨太」に決定。正念場で力を出せる真の強さを求めたが、8月3度のサヨナラ勝利が示すように、確実に根付き始めた。渡辺監督は「すごいね。あきらめないというのが、うちにとっては大事。我々はまだ死んでいない!
やればできる」と語気を強めた。首位楽天とは7・5ゲーム差の4位。逆襲への態勢は整った。【久保賢吾】



