大谷の次は松井!

 日本ハムが、今秋のドラフト会議(10月24日、都内ホテル)で、桐光学園(神奈川)松井裕樹投手(3年)を1位指名する可能性が高いことが9日、分かった。九州共立大・大瀬良大地投手(4年=長崎日大)を1位候補に挙げていたものの、ここにきて松井の評価が急上昇している。社会人投手も候補に残しているものの、日本ハムは一貫して積極的なドラフト戦略を取ってきた。競合必至も辞さず、注目左腕を指名するか。今年も日本ハムの動向が注目される。

 日本ハムが、またドラフトの主役に躍り出ることになりそうだ。本番まで約1カ月半を迎え、1位候補の見極めが最終段階へ突入。5人前後の複数選手の絞り込みまで完了しており、その中の1人として松井が残っているもようだ。山田GMは「(1位入札選手は)最後の最後まで分からない。ギリギリまで考えてから決めることになる」と最終決定には至っていないが、松井へと一気に傾く可能性が出てきた。

 来季以降の将来的な青写真を加味すれば、松井選択の余地は十分にある。今季は先発陣がやや不安定で開幕から下位低迷。即戦力投手の補強を最優先に掲げ、今ドラフトに臨む方針を確認している。昨年まで4年連続で投手を1位指名。10年の斎藤は右肩関節唇損傷で長期離脱中、11年の菅野(巨人)には入団拒否され、少しの誤算が生まれている。中長期的な強化戦略も視野に入れた上での逸材獲得も課題の1つだ。

 高校生ながら即戦力で、伸びしろも期待できる。競合を覚悟で1位指名に踏み切る公算は十分だ。九州共立大・大瀬良大地投手も1位候補だったが、球団内では松井の株が急騰しているという。スター性も兼ね備えており、大谷と並んで次世代の球団を背負う資質もありとみている。8日までの18U野球W杯(台湾)を大渕スカウトディレクターがチェックするなど、決断の準備を整えている。

 ほか1位候補は、粒ぞろいとされる社会人の投手を最上位候補で高く評価。JR東日本・吉田一将(23)セガサミー・浦野博司(24)富士重工・東明(とうめい)大貴(24)東京ガス・石川歩(25)の4右腕も重点チェックしている。その社会人候補を中心に編成される東アジア大会(中国・天津)を山田GM、ベテラン今成スカウトが視察予定。異例の態勢だけに、社会人勢への本気度もうかがえ、ドラフト直前の判断材料となりそうだ。昨年は二刀流で騒然とさせた日本ハムだが、今年もその動きが注目される。

 ◆松井の争奪戦

 ここまで明確に指名回避を公言しているのは広島の1球団。日本ハムだけではなく、他球団もほぼ全球団が1位候補としてリストアップしている。松井の出身地、横浜市を本拠地にするDeNAに加え、巨人、ヤクルト、楽天、ロッテ、西武など、さらに関西圏では阪神が現状では1位の筆頭候補に挙げる。パ・リーグ最下位のオリックスなど、チーム状況によって即戦力投手の指名が有力な球団もあり、JR東日本・吉田一将投手(23=日大)九州共立大・大瀬良大地投手(4年=長崎日大)らと比較を続けている。