巨人渡辺恒雄球団会長(87)が9日、都内のホテルで、野球の五輪種目復活へ大胆な提案をした。五輪種目存続となったレスリングを引き合いに「あれはルールその他をどんどん変更したんだよ。それで世界に受け入れられるようにしたからうまくいった」と、野球もそれに倣うべきだと主張した。

 具体案も示した。「例えば9イニング。これは長いよ。7イニングでもいいし、5イニングでもいいんじゃないか。あとファウルは無制限だろ。あれは10でアウト。これはオレの個人的な意見だけどダメか。でも試合を短縮する、国際競技たるべく変更する方法はいくらでもあるはずだ」。冗談交じりだった口調は最後に真剣味を増し、議論の必要性を説いた。

 五輪競技復活への思いは強い。「国家的見地に立って、野球を繁栄させようとしたら、ルールも変えてもいいから。国際競技になるように。レスリングはそれで成功したわけだから。オリンピックに野球が出るようにならないといかんよ」と語気を強めた。

 7年後の東京五輪開催には、招致に尽力した安倍首相と高円宮妃久子さまに最大限の敬意を払った。しかし「そのころオレはお墓の下にいるから。そこまで先のことについて発言権はないんだよ」と、思いは後進に託していた。【竹内智信】