新人王取りへ、阪神藤浪が過酷なバレンティン封じに挑む。現在10勝を挙げる阪神のルーキー藤浪晋太郎投手(19)は次回、14日ヤクルト戦(神宮)に先発する。ヤクルト小川、巨人菅野らと争う新人王に中西投手コーチが全面サポートを宣言。勝利数の加算と規定投球回クリアは必須条件となる。14日の後は21日からの甲子園ヤクルト3連戦に向かう予定で、53発男のヤクルト・バレンティンにも真っ向勝負指令が飛んだ。

 一生に1度の称号だ。「新人王」争いに食らいつく藤浪が、強大な壁に挑む。今週は14日ヤクルト戦に先発。2戦2敗とセ・リーグの本拠地6球場で唯一勝てていない神宮が舞台だ。「勝てていない球場なので、しっかり投げられればいい。神宮は広い球場ではない。丁寧に投げて低めをつくことです」と細心の注意を払うと言い聞かせた。

 その後も21日から甲子園でヤクルトを迎える。相手4番はご存じ53発男。アーチ量産が衰えないバレンティンだ。2登板続けて日本記録更新がかかるかもしれない大砲との対決となる。

 中西投手コーチはバレンティンに対し「勝負させるよ。一塁が空いていたりしたら敬遠もあるだろうけど。全力で抑えにいくよ。白けたことはしません」と真っ向勝負を指示した。藤浪は11度の対戦で3四球、2安打されているが1発は浴びていない。それでも7日巨人戦では村田、長野と右打者にフェンスオーバーされ、プロ初の1試合2被弾したばかり。2週連続のバレンティン戦は記録更新を許す当事者にもなりかねない最大、最高の試練だ。

 ヤクルト小川、巨人菅野を追い越して新人王を獲得するためには、勝利を重ね、長いイニングを投げる必要がある。どうしても、バレンティン封じは避けては通れない。中西投手コーチは「一生に1度だけだから。藤浪本人はあまり気にしてないかもしれないけど、チャンスがあったら止めることはできないよ」とタイトルを後押しする白星と投球回の加算を描いた。

 「まずは勝ち星だな。(小川と菅野に)上回られてるわけだから。規定投球回はあまり気にしてないけど、防御率で上にいれば、狙わせるよ」

 現在藤浪の投球回は116回1/3で、シーズン規定投球回まではあと27回2/3。残り試合で4度の先発が見込まれている。1試合平均7イニングを投げきれればクリアし、防御率争いにもランクイン。記者投票で決まる新人王には、絶好のアピール材料となる。

 バレンティンを封じ神宮で勝ち名乗りを受ければ11勝目。高卒新人では07年楽天田中の成績に並ぶ。大注目対決を制した先に、栄冠が待っている。【山本大地】