<阪神2-2中日>◇10日◇甲子園
虎よ、大丈夫か?
チャンスはあるが、ホームが遠い。詰めが甘い14残塁で、延長12回の末にドロー。本拠地・甲子園で5カード連続負け越し中だが、この日も勝てなかった。チーム452得点は、セ・リーグでワースト。勝負強さを身につけての得点力アップが、秋の決戦を制すには必要だ。
最高の舞台ができた。2-2同点で迎えた8回、1死満塁。和田豊監督(51)が立ち上がってベンチを出た。すでに、スタンドからは期待を込めた歓声が上がっていた。だれもが確信していた。
「代打・桧山」
場内アナウンスが終わらないうちに、スタンディングオベーションが起こった。大歓声に包まれて今季限りの引退を表明した“代打の神様”が打席に向かった。あと何度見られるのだろう。そんな、まなざしが桧山の背中に注がれた。
初球、3四球を出したばかりの浅尾の146キロ直球を思い切り振った。ファウルにはなったが、いつも通り、自らのスタイルを貫いた。だが、追い込まれてからの4球目、最後は抜いた変化球にバットが空を斬った。スタンドが大きなため息に包まれた。
桧山
向こうも開き直ってくるやろうし。(初球を)仕留めなあかんかったな。してやられたな。完敗です。勝負としてあそこで打っていればね…。
試合後、悔しそうに振り返った。何度も名勝負を繰り広げてきた谷繁との駆け引きを楽しみにしていた。だが、初球ファウルの後は、変化球で完全にタイミングを外された。
ハイライトはこの場面だったが、その後はもどかしいシーンの連続だった。和田監督も渋い表情だった。
和田監督
結局、得点圏というか。ためるところまではいくけど、そこで打つ打者が気持ちが勝ってしまうという場面が多かった。
得点は鳥谷の2ランのみ。7度の得点圏チャンスであと1本が出なかった。9回2死満塁ではマートンが空振り三振。延長10回には藤井彰が併殺。そして、最終12回には1死一、二塁で打席に向かう狩野に、和田監督が耳打ちした。内容は明かされなかったが、結果は最悪の遊ゴロ併殺でゲームセット。後味の悪い引き分けとなってしまった。
指揮官は“気負い”を指摘したが、現在、甲子園では5カード連続負け越し中。さらに、セ・リーグでワーストの得点力のなさ。CSへ不安もよぎる。
和田監督
そこら辺はつながらないということで、勢いも2試合、3試合と続かないね。
本拠地での強さが影を潜めているのが気がかりだ。【鈴木忠平】



